コリを「取る」より「移す」

こんにちは。
新大阪道場の津田啓史です。

ずいぶん前に進化体操講座を受けに来られていた方が、極度の首のコリに悩まされていて、

「首を引っこ抜いて付け直したい」 と言われていました。
(もちろん、その後改善しました)

「コリ」「張り」「痛み」を
取りたい、ほぐしたい、
そういう気持ちになるのはわからないでもありません。

ですが、ヨガの指導員から身体に向き合い始めて30年、
「取ろう」「ほぐそう」という試みは、
実はあまり効果がないことがわかりました。

もともと「コリ」とはなんなのでしょうか?

進化体操的には「行き場のない力」と考えています。

詳しく説明すると
「コリ」とは筋肉が硬くなった状態です。
そのコリができる場所で腰痛になったり、頭痛に化けたり。
筋肉が硬くなったまま力が抜けないというのがその背景にあります。

筋肉に力が入っている代表的なものに力こぶがあります。

つまり、筋肉に力が入った状態という意味では、コリも力こぶも同じものです。

無意識に力が入りっぱなしな状態がコリで、
意識的に力を入れている状態が力こぶです。

では
あなたが力こぶをせっせともみほぐしたら力こぶは柔らかくなるでしょうか?
サロンパスを貼ったら柔らかくなるでしょうか?

なりませんね。
そんな無駄なことはやめて力を抜いたらいいだけです。

ではどうしてコリは力が抜けないのでしょうか?
抜けないのには抜けないなりの事情があるのです。

たとえば肩や背中のコリを持っている人は、よく調べると腕にコリを持っていたりします。
(触ると飛び上がるぐらい痛くても、ふだんは気がつかない人が多いです)

腕にコリがある状態というのは、
「重たいものを持っている」のと同じ状態であると身体が錯覚します。

そうすると
肩や背中もそれに対応しただけの力を入れておかないとその重たいものが持ち上げられず、
肩関節や背中を痛めたりします。

そういう「より末端の力みに備えて力が入りっぱなしになる」という現象が多くの方に見うけられます。

それだけではありません。
人間は脊椎動物なので、本来背骨の動きを中心として動く生き物です。

だから背骨にはムチのようにしなる、
柔らかい力が備わっていなければいけないのです。

ところが、その大事な柱である背骨に”ふぬけた”ところがあると、
やむを得ずその近くの筋肉が余分に硬くなって、
その”ふぬけた”部分を補おうとします。

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これがコリのメカニズムですね。

そういう「身体の中のアンバランス」を整えると、
コリは激減して、コンディションは劇的に改善されます。

コリそのものをほぐそうとしても、ストレッチしても、
その外側(腕や脚)や内側(背骨や体幹)にあるアンバランスさが
そのままでは、決してなくなりません。

だから必要なのは、
腕や脚の力み、コリに使っているエネルギーを、
背骨が弾力的に動くために移すことなのです。

進化体操とは
反射の力、そしてイメージの力で、
腕や足の余分な力みを、背骨の弾力に移していくワークです。

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