⑯師の言われるとおりだった

師匠は「ちょうどよいのが良いのだ」と「禅問答」のようなことだけを言われる。いえ、その基準が知りたくて専門家になったのですけど、何をもってちょうどいいと言えるのか、その根拠になる考え方を教えてください、と言いたかったのですが、おっそろしく怖い師匠だったので黙ってました。

少し脱線しますが、今津田啓史が研究して「ああ、こういうことだったのか!」と日々発見し深めていっているものや、その方法論は気が付いたらほとんどがヨガの師から教唆されたものでした。

「それって、考え方としてはものすごく頭にここちいいけど、実際問題、私の日々の、悶々とした、猥雑な、ちまちました、雑多な問題解決には、具体的にはどうやったらいいか、ほんとのところはわかんないよー」という毎日だったのです。

結果としてその後円満に団体を離れ、

「いいことを実行しようとしても、三日も続かない。でも何が何でもやるぞ、続けるぞと休日の半日かけて立てた実行プログラムが、その日の夕方にはすでに挫折している」

というような悶々とした日々に、「そうか、もっと土台に、基礎に、もどって、さらにもどって、ここからこう手を付ければいいんだ、やった!少し改善のてがかりがつかめた!これなら続く!」

なんて見つかったものを一言でいい現わすと、ヨガの師が言われたことそものもだった、というような体験がずっと続いています。

そう考えると、間違いのない研究テーマを、具体的な答えのない形で教唆され続けた体験というのが、今の自分の充実した日々の根底にあるので、最高の師匠だったと言えるかもしれません。

その時はわかりませんし、またそのまま団体に残っていて発見できていたとも思えないのですが、でも結果として今があるのは、師のおかげです。これだけは間違いありません。

『進化体操の基礎の基礎』
進化体操体験クラスの受講申し込みは
「講座スケジュール」よりお申し込みください