健康法の真ん中は無意識反射対応力
【 健康法の真ん中は無意識反射対応力 】
「健康法」を考えるとしたら、「生きるってどういうこと」というのを明確にしないと中心が欠けることになる。生きるって、ほとんどが生き延びるための無意識な反射行動の膨大な集まりとちゃいますかというお話をしています。
あなたが今朝の朝食で何を食べたのでしょう。例えば味噌汁、奴とかね、ご飯とかね。めざしとか、まあそんなものを食べたとします。食べた後の今現在食べたものがどうなっているか実際分からない。
一日二日たつと、おしりから出てきますから、これたぶん昨日の朝飯昼飯ぐらいかなみたいな感じがあって、その間に食べたものから水分を取り、栄養を摂り、余分になった物を出していく。この営みって完全に無意識でしょう。
いちいち身体に命令してないし、お願いした覚えもありません。身体が入ってきた食物のそれぞれに対して勝手にやってますよね。それが止まっちゃったら、大変です。
例えば腸閉塞。腸の途中が活動停止して止まってしまったら命にかかわる病気です。
順調に動いているから気にしてませんけどね。一回ごく一部が止まっただけでもう大事です。
生きる営みのほとんどは、無意識で意志でコントロールできません。
例えばその内臓の動きを見てみても、せいぜい呼吸の速さを少し変えられるぐらいで、今日は心臓を早くしようとしても無理。腸に今日は忙しいから、さっき食べたものは3時間でうんこにしてくれと言ったって、そんなクリーニングの特急便みたいなわけにはいかないですよね。
その人の身体の中で食べたものによって、必要な時間をかけて、下から出て行く。全部ほぼ無意識ですね。
そういうことこそが生きている営みそのものです。これをど真ん中でとらえたら、健康を考えるということの視点がちょっと変わりませんか?
その「生きる」「死ぬ」「生命を維持する」というところで考えていくと、飲み食いをするから生きていくというのはもちろんですが、生活を考えたらもっといろんな局面がありませんか?
例えば、その道を歩いていて、やけに飛ばしているウーバーイーツの自転車が急に横から出てくる。ウーバーの人がみんな乱暴ということもないのですが、早く届けようとして急いでいる人が多いので、ウーバーの配達員さんごめんなさい。
それがひょっと飛び出してくる。その時に、よけるべきだ!とか考える前に身体がよけているからぶつからないですよね。自動車だろうと自転車だろうと他人同士だろうと同じです。
つまり、こういうところでも、健康法というくくりではなくて、人が生命を維持していく、という視点に立ったら、災難をとっさに避けるということだって含まれてきますよね。
そうしたことはことごとく無意識に反射で出てくるのです。(つづく)
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「生活整体」と「和の体育」研究家
触覚の体育・進化体操
津田啓史 拝