人は良くなるようにできています

生活整体　野口晴哉に学ぶ

【人は良くなるようにできています】

あなたにも私にも、「その1点を押さえると呼吸が深くなる、背骨や身体が柔らかくなる、バランスが良くなる、全体が一つにまとまっていく」という皮膚上の点があります。仮に全動点とか全体性回復点と呼んでいきます。そこに触れていくと、身体はまとまります。バランスが回復します。それが津田が今みなさんにやっている整体です。

それから「生活整体総合講座」で参加されるみなさんに身につけていただこうという内容でもあります。

その「点」はずっと固定されたものでなく、身体の使い方や疲労の具合、季節、気温、打撲などの影響を受けて、変わります。人によって生まれやすい場所は繰り返すようです。

一つ押さえたからといって万事解決にはなりません。去年の悩みと今日の悩みは違ってくるようなものでもあり、一つ解決してもまた何か問題が出てくるという普段の生活と同じです。一度部屋を片付けても、すぐに散らかるようなものです。

ただし、延々ほったらかしなのとマメに手当てするのとでは、時間が経過するほどそれをしておくのとしないのとの差は大きくなると感じています。

だから、自分で見つけられるようになっていける人を増やしていきたいです。

だから、まずあなたにも、「人間は誰でも全体性を回復できる点を皮膚の上に持っている」ということを知っていただきたいのです。体験・体感していただきたいのです。体験して、体感すれば、自分でそれを探すこともできるし、探せるようになれば、そこに手や指を当てて全体性を回復していく調整をすることもできるのです。

そんな素敵な仕組みを人体が備えていることを、私も整体の世界に入るまでは知らなかったのです。そして、野口整体の世界以外では、ほとんど知られていないことにも気づきます。

その一点を押さえれば難病万病が治るなんていうことは全く言っておりません。ただ身体が一つにまとまるというだけの話です。ですが、この身体が一つにまとまるという経験自体が、現代社会で普通に生活をしていても一生味わえないかもしれないというのが今の当たり前の環境です。

例えば筋肉や筋を痛めたり肉離れをしたりといった系統の故障、腰痛や肩こりなどの不定愁訴。そういったものは統一しない、全体性の低い、バラけて力んだ身体の方により多く起こるということは考えるまでもありません。

身体を一つにまとまる度合いを上げるほど、筋肉や筋を痛めたりする可能性は減るでしょう、腰痛や肩こりの度合いもマシになるでしょう。そのあたりまでは、きっぱりと申し上げられます。

そして、この全動点、全体性を高める点が誰にでもあることは、全く常識になっていません。

体操の形をとってその点を活用するとか、歩きながら触れるような方法で生活に組み込んでしまうというあたりまで踏み込んでいるのは、今のところ私以外には知りません（調べたわけではありませんが）。

つまり開拓の分野として、肥沃な大地が広がっているようなものです。

「頑張る」の前に「整える」「統一する」「まとまる」というステップを持てることは、あらゆることの無理を減らし、パフォーマンスを高めていけます。

そこに行くために、マイクロストレッチで皮膚感覚、微力微動に踏み込んで、進化体操で皮膚感覚反射で骨格にとって自然な動きに近づけていく。そうやって身体という畑を耕していくと、そこに「全体性回復点」という種をまいて、日々本来の自分と出会っていくことができるようになります。

「生活整体」と「和の体育」研究家
触覚の体育・進化体操

津田啓史拝