冷えから学ぶ 身体の生活整体
【冷えから学ぶ 身体の生活整体】
野口整体では、寒いから冷えるととらえません。寒暖の温度差でマイナスの影響を受けることを「冷え」と呼んで警戒します。
気温が低くても、ずっと寒い時期は身体がそれに対して身構えるから影響は少ないのです。
今のように昼間が暑くても、明け方に気温がぐっと下がると身体は無警戒なので影響を受けやすいです。
昨日まで相思相愛だと思っていた彼氏彼女から突然別れを切り出されるようなものです。嫌いな奴から裏切られても「あいつはもともとそういう怪しからん人間だった」と割り切れたりしますが、信頼している人に裏切られるとショックを受けるようなものだと理解すれば分かりやすいかなと思います。
冷えると、例えば女性の月経の不快感に影響があったり、男女問わず腰痛が出たりしますね。整体では冷えるとねじれやすいと言います。そうなるとますます不調が顔を出します。
この原稿を書いていた先週、知り合いが続けざまに三人「ぎっくり腰」「なりかけ」と聞きました。今までの身体バランスなら許容範囲だったのが、冷えてねじれてバランスが変わって、無理でなかったものが無理になったのでしょうね。
人は生き物で「物」ではありません。ここが大事です。物であれば温めれば全体が温まるし、冷やせばまるごと冷えます。全体が均質にそうなります。
冬場になればお医者さんがテレビに出てきて「みぞおちから下を低温のお風呂に入って20分以上温まりましょう」みたいな「誰に対しても同じ」ことをご推奨します。
レトルトカレーの作り方を聞いているみたいです。
人間がレトルトカレーと違うのは、カレーは全商品同じもので5分間温めれば同じだけ温まります。物だからです。人間は物ではないので、刺激や情報に対してそれぞれ反応が違います。
「君、きれいだね」
と言われたとしても、人によってその内面に起こる反応は
「分かりきったこと言う人ね」
「キャッ、私に気があるのかしら」
「馬鹿にしてるん?」
「お金を借りようとしているな、こいつ」
などとバラバラです。(推定を含む)
野口整体と出会って、野口晴哉という人が、あまりにこの「個々人によって反応を正確に予測できて働きかけを使い分ける」ということをもの見事に観察して実践されていることに本当にびっくりしました。
ただし、めちゃめちゃ難しいです。あまりに難しいので私はそういうち密な人間観察ができるようになるのを数十年先に後回しにして、先に「生物としての共通点、誰がやっても同じ結果になるもの・仕組みに沿うこと」を先行して研究することになって今に至ります。
冷えの話に戻ります。
人間はレトルトカレーではありません。均質ではありません。生きております。そうすると血行の良いところと良くないところがあります。
寒気(かんき)が来ても血行が良いところは冷えませんが、血の巡りが良くないところはすぐに冷えて血行が悪くなり、固く縮みます。
いったい自分のどこが血行が良くて、どこが良くないか。精密医療機器なんか使わなくても誰の家庭にもあるもので毎日でも簡単に調べる方法があります。(つづく)
生活整体研究家
進化体操と和の体育
津田啓史 拝
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もう一歩、踏み込んで書いています。
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