ブラインドサッカーを整体の目で観てびっくり！その２

【ブラインドサッカーを整体の目で観てびっくり！その２】

（昨日の結び）それで、自分に備わっているあらゆる能力を総動員している選手の皆さんにそのパフォーマンスを見せていただいている以上は、私も「気を読み取る整体の専門家」として、少しでもその凄さというものを整体的に分析できないかと思って、テレビ越しではありますが選手たちのプレー中の気の形のようなものを読み取りにかかりました。（から続きます）

実際の選手のプレー中の姿勢というのは、もうほとんど普通のサッカーをしているのと変わりません。（素人目には）何せ視覚を100%遮断していますから、選手同士がぶつかるのは非常に危険です。なので手だけは少し前に出して触覚のように使っているように見受けられました。

読み取った気の姿勢は、骨盤開閉型の開。一応分かりやすいようにあえて言葉で表現すると、直径1メートルくらいあるような木の幹に両手両足で抱きついているような姿勢が一番近いです。

ただ、一般的に骨盤開閉型の開く方だと、その何かを抱きしめるような形の内側に気が向かっていくのですが、ブラインドサッカーの選手の場合にもう本当にびっくりしたのは、あたかもハリネズミやウニのように、背中側から後ろや横に向かって数10センチのところまでびっしりと触手を伸ばしているかのように外側に気が放射されているような感触の部分でした。

別にそういうものが見えるわけではありませんよ。その時に伝わってきた体感をあえて視覚的な言葉に変えるとそういう風に表現できるというだけなので、お間違えのないように。

目が見えていれば、その場で起こっていることがかなりの確率で視覚を通して理解できますから、自分がその後にとるべき行動というのはかなり限定して絞り込んでいくことができます。

ところがブラインドサッカーの場合だと、その場で起こっていることそのものが見えるわけではありませんから、自分がその後にとるべき行動というのを絞り込めません。結果としてあらゆる方向のあらゆる可能性に対処するような身体性を発揮せざるを得なくなります。

その結果引き出された身体性を感じ取ると、ウニやハリネズミのように、自分の周りのあらゆる方向に気配を感じようと気の触手を突き出しているかのような状態に感じられたということです。

野口整体は「全生」を説きます。全力を発揮して生きていこうよという呼びかけが整体です。全力を発揮するということは、特定の部分に過剰に無理をかけることではないと思うのです(通常のスポーツのトレーニングはそうなりがちではないかと思っています)。

全力を発揮するということは、自分の身体に備わっているものをすべてスイッチをオンにして、その時点で必要な物を組み合わせて、最もパフォーマンスが上がるような取り組みをすることではないかと思っています。

決して歯を食いしばって苦痛に耐えて頑張ることではないと思うのです。

ブラインドサッカーを見ていると、単に脚力やら瞬発力やらに限定されず、聴力や皮膚感覚、空間の認識力、記憶力、気の察知力、そういったものを総合して統合して使っているなぁと、びっくりするしかありませんでした。

障害者スポーツというときの、ハンディを負った人の頑張りというようなものではなく、健常者と呼ばれる人よりもよほど生まれ持って備わっているものをバランスよく発揮している学ぶべき人たちという風にしか見えませんでした。

だから、オリンピックのサッカーの日本代表、惜しくも3位決定戦で負けてしまい、久保選手が号泣していましたけれども、サッカーの選手もこのブラインドサッカーをやればものすごく学ぶことが大量にあるだろうなと思ったわけです。（というよりも、私自身がなんらかの形で取り入れるべきですね）

ここまでが感動を二つにまとめた最初の方

○自分の持っているあらゆる能力を最大限に発揮しつつ、それを組み合わせて使っているパフォーマンスの高さがもう信じられないくらいに高いとしか思えない。

の部分の私なりの解釈と感動でした。そしてもう一つ残っているのが

○なおかつ、自分以外の人の発する情報からサポートとして受け取る能力の発揮具合というのが、これまた尋常でないくらい高いパフォーマンスが想像される

という部分です。（明日に続きます）

生活整体研究家
進化体操と和の体育

津田啓史　拝