免疫の健全化 熱中症予防 鍵は鼻呼吸

【免疫の健全化 熱中症予防 鍵は鼻呼吸】

鼻呼吸が脳を冷やすというメカニズムそのものは、あいうべ体操を考案された今井一彰先生のご本で知りました。(『鼻呼吸なら薬はいらない』新潮社)今は新型コロナ禍で、鼻呼吸による免疫力アップの面から今井先生の本を読みなおしていたのです。あくまでもコロナ対策としてでした。

ところが、脳を冷やすメカニズムの一つが鼻呼吸だということから、熱中症との関係もあるかもしれないと仮説を立ててみました。

お年寄りで筋力がおとろえたり、歯が減ってかみ合わせなどがうまくいかず顎関節が十全に働かず口があいてしまい口呼吸してしまう。もともと肺活量も落ちているから呼吸量も少ない。すると脳が冷える度合いが減少します。その結果30度以下の部屋でも、脳がオーバーヒートして熱中症になるというのは考えられないでしょうか。

昭和の中学校高校の運動部で水も取らないで長時間運動させていました。ところが若い時は肺活量が多く、また運動にともない呼吸回数も呼吸量も増加します。もちろん体温も上昇するし、水分も失われるのですが呼吸だけは深いし呼吸回数も多い。その結果脳の冷却はかろうじて行われる。結果としてぎりぎりの線だったかもしれませんが、脳のコントロール機能は保たれて熱中症にはならなかった。

というふうに「鼻呼吸・口呼吸が熱中症になる・ならないに介在しているのでは」と考えると昭和の運動部で水分補給をしないにもかかわらず熱中症になるのが少なく、令和の時代に運動をしていない室内で高齢者が熱中症になってしまう一つの理由づけになるのではないかと思います。

というあたりまで考えてから、「脳の冷却」のキーワードで検索してみたら、医療者向けのサイトでやはり口呼吸が熱中症発症の一因になるという解説を見つけました。「だから鼻炎とかちゃんと治療しないといけないのですよ」というような記事でした。

マスクで温まることによる熱中症の危険性が増えるということが言われるようになりました。マスクで息苦しいと感じてマスクの中で口が開いて口呼吸になってしまえば、ますます脳のオーバーヒートを止められないということになります。だから「なんとなくマスクつけっぱなし」というのは本末転倒ではないかと思います。

つまり「コロナ対策」で鼻からのどにかけてある免疫の関門をすべて働かせることを考えても、「熱中症対策」として脳がオーバーヒートしないように脳を適度に冷やすということを考えても、鍵は「脱・口呼吸、ちゃんと鼻呼吸だ」ということになるのです。

講座でも上の内容をお話ししました。

 

【動画】期間限定 熱中症対策と感染予防の免疫力強化、実は同じ方法でアプローチできます

さらに新型コロナでの「重症化するかどうか」という部分でも鼻呼吸は重要な役割を果たしている可能性がありますというお話しは次回で。