あるものを生かす が和の体育

緊急事態宣言の発出を受け、当面4月25日から5月の11日までは休講になりました。

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『あるものを生かす が和の体育』

スポーツなどのパフォーマンスを上げようとしたら、外側から特別な何かを足すというより先に、自分に備わっているものを正確に見極めて、それを生かすことを優先した方が良いというのが和の体育の考え方です。

脊椎動物の全ては、もともと背骨を中心にして全身運動をするように組み立てられています。人間だけが腕や手先を背骨と切り離して小器用に使っています。

動物たちで全身運動、全身連動していないものはありません。塀の上の猫、公園を駆ける犬、池を泳ぐ鯉。人間だけがぎくしゃくと動いています。

だから、もう一度弾力にあふれる背骨と手足頭などがつながった動きができる使い方を思い出そうというので、スーパー脱力運動マイクロストレッチや反射で起こる背骨の波の連動を引き出す進化体操を提唱しています。

そういう「備わっているのに、使えていない」ということはそういった「使えるように戻すきっかけになる練習」が必要ですが、動物たちのような全身連動ができていないのに慣れてしまうと、それが当たり前になってしまい、どれだけ不利益を被っているのかが分からなくなってしまいます。

前に書いたように、100メートルを全力で走れるのは、人間の目が100メートル先まで安全だということを確認できる視力を持っているからです。
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あたりまえということ その2

それだけ目が重要なら、その工夫でもっと目をきっかけに運動能力を引き出せるのではないかというのが一昨年にさんざん研究した「狭い視野しか見えない眼鏡」です。視覚をすこし制限した分、身体の感覚ががばっとふえて、それまでできなかった古武術の技がいきなりできるようになったり、ランニングがいきなり速くなったり、などの現象を数多く確認しました。

そうやって、すでにあるものの長所を生かそうとするのは、そのスタートが「生身の身体でもっと素晴らしいパフォーマンスが発揮できるはずだ」と決めているからです。整体を学ぶことで、現代人がいかに整備されていない状態で運転しているかが明確になったので、その考え方ができるようになりました。

整体を知らなければ、今の自分が普通で、よくなるためには何かを足さなければならない、という現代の主流の考え方にもっととらわれていたかもしれません。

ちがいますよー。あなたの心身というものは、整備が進めばもっともっと快適ですよ。

突飛な考え方かもしれませんが、今の世の中というのが、あなたには〇〇が不足しているからそれを買いましょう、購入して補いましょうという情報であふれているので、これまた無意識のうちに外側から足さなければダメだという常識に、いつの間にか陥っているのかもしれません。

まずはマイクロストレッチあたりで、「わ、私の身体ってこんなに快適だったんだ」というのを実感していただきたいですね。

 

生活整体研究家
進化体操と和の体育

津田啓史 拝