DaiGo氏のホームレス発言を身体から考える ３
【DaiGo氏のホームレス発言を身体から考える ３】
政府は「財政健全化」というとても不健全な考えを打ち出しています。集めた税金の分だけしかサービスしませんという考え方です。どんどん国民に対して提供するものを絞っていこうという考え方です。
何が不健全かというと、結果として世の中に出回るお金を減らしていきますということだからです。景気のいい時代でしたら、企業がどんどん融資を受けて、そこからお金が世の中に供給されますから問題になりません。今のように消費がない状況の世の中でそれをやると、ますます人が活発に動けなくなる、活発に働けなくなるからおかしいと申し上げております。
私は何も、誰も働かないでも食べていけるように政府がお金を配れと申し上げているのではありません。働ける人がより活発に働けるような状況を作るために、それが有効である範囲内で通貨発行権のある政府が適切な支出を、効果的なところにしていけば良いと考えていると申し上げております。
ではどういうところが効果的かというと、庶民で貧しいところや困っているところにお金を配れば、あっという間に支払いに使われますから、大金持ちのようにその人のところで滞留するということがない。ホームレスにお金が手渡って、その人が再び社会復帰できてバリバリ働けるようになると、これまた社会全体の供給力の維持に貢献できます。
不正な方法で、生活保護を受けている人をよしとは思いませんが、ごくごく一部にそういう人がいるからと言って制度自体のハードルを上げてしまうのは良くないと思います。
社会全体を一つの生命体として捉えたときは、全体を形作っている全ての部分（一人一人の国民のことですね)が、生き生きと活発に動く方策をよしとすると考えます。
DaiGo氏に限らず、工夫と才覚で経済的に成功されている方の努力には敬意を払いますし、私だって金持ちになりたくないかと言われたらなりたいです。それはそうなんですが、ではそのお金の価値というものが何によって保たれているかといえば、自分以外の人が寄ってたかって世の中の供給力を維持し、技術や施設を維持してくださっているからです。
国民が頭と身体を活発に動かして、モノやサービスが供給できる状況を作るとお金に価値が宿る。国民が怠けものでろくに働かず、契約してもものが届かず、電車も飛行機も時間がまちまちというような国だったら、お金の価値はさらに下がるでしょうね。質の悪いものしか購入できず、ろくな技術もない、時間も守らない、信用もならないみたいな人ばかりがゴロゴロしていれば、高いお金を出さないと良いサービスや良いものが買えないということになります。つまりお金に宿る価値が下がってしまいます。
世の中は、テレワークができて、それでもけっこうな給料がもらえる人で回っているのではなくて、安い時給や決して高いとは言えない給料で、現場に出て寒暑湿風の中で働いて世の中を支えている人が大量にいるおかげで回っており、そのことでお札に金額分の価値が安定して宿っているのです。
今はホームレスや生活保護だったとしても、そうなる以前は立派に社会を支える側だったかもしれません。今だけ、金だけ、自分だけという考え方は、結局は自分の首を絞めることになる考え方だと思います。
お金儲けに成功した人が偉そうにできるのも、お金に価値を宿らせてくれたすべてのその人以外の人がいるからです。どこまでもお互い様なのです。国民ががんばってお金に価値を宿らせているのだから、自分の給料は減らさないで、国民に還元するお金は削ろう削ろうとする議員や政府はおかしいのです。
でもよくよく考えたら、国会議員の給料を減らせというのもよく聞きますが、これも間違った認識かもしれません。働かない国会議員の給料を減らしても、国民にメリットはなくなります。
国会議員がちゃんと仕事をしていないと感じたときには、給料残さず使え、全財産を使え！使わなくてもいい、寄付しろと言うべきではないでしょうか。吐き出してもらえば誰かに手渡って、行く先々を活性化させていくことができます。身体的に社会を見るとそうなります。
老若男女、上下左右、多様な人が多様なままで楽しく溌剌と生きていけるような、ごく少数がしわ寄せを受けて疲弊しないような、そういうありようを良しとしていきたいと、身体から見る社会としては、切にそう思います。
DaiGo氏は結局Youtubeの収益を、ホームレス支援の団体を選んで（たぶん継続的に）寄付していくことになったと聞きました。大金持ちのDaiGo氏のところにお金が滞留しているよりは、そこだけは良かったなと思います。
生活整体研究家
進化体操と和の体育
津田啓史 拝
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