野口整体の見方 傷は絶対消毒するな その2
緊急事態宣言の延長、8日の国内で過去最高の陽性者数の県が多発などの状況から、
当面5月末までは休業せざるをえないのかな、というのが現状です。
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【野口整体の見方 傷は絶対消毒するな その2】
昨日から「野口整体的な考え方、ものごとのとらえ方」になじんでいただこう、という切り口で書いています。
昨日のむすび
『こういう時、人間というのは非常に物事を都合よく見てしまいます。右から見ると確かに身体にとって有益なことをしている(殺菌)。ところが左から見ると、それがそのまま治りを遅くしたり、皮ふの再生を妨げるようなことを知らずにしてしまっていたのです。』
の続きです。
その昔、高校の生物?で習ったような気がするのですが「細胞のなりたち」のお話です。
殺菌消毒の対象になるのは細菌です。それで、この細菌という微生物は「細胞壁」で包まれている一つの生命体です。
この細胞壁というやつは、細菌や真菌(かび)や植物の細胞が備えているもので「壁」と言われるぐらいですから厚みがあって丈夫なのでしょう。
一方で、人を含む動物を構成している細胞というのは「細胞膜」に包まれています。
細胞壁というのは細胞膜のさらに外側についているものですから、細胞壁をもった細胞というのは「細胞膜で包まれた細胞がさらにカバーを付けたもの」と言えますね。
消毒薬について調べましたが、いろいろな種類があって、その殺菌作用のメカニズムもすべてがすべて解明されているとは限らないということでした。
そのうえでオーソドックスな作用として例をあげると、この細胞膜に作用させて穴をあけちゃえば殺菌できるということです。オキシドールの活性酸素だとかアルコールなどもこういう作用です。
そして細菌を包んでいるのは細胞壁(カバー付き)で、人体の方の傷口の細胞だとか、殺菌を受け持つ白血球などの細胞は細胞膜型でカバーはありません。
カバー付きとカバー無しなら、どちらが丈夫かというのはいうまでもありません。
動物の細胞はすべて細胞膜仕様で、植物は細胞壁仕様です。生野菜は少々触れても崩れませんが、マグロの赤身や生肉の赤身は簡単につぶれます。というイメージで理解しております。
細胞壁に包まれた細菌と、膜しかない人間の細胞にオキシドールやアルコールを作用させればどちらの方がダメージが大きいかと言えば、実は細胞膜しか持たない人体の細胞の方なのです。
なんと恐ろしいことに、極端に言うなら、殺菌しつつ「細胞レベルでの部分的な殺人」を行っていたのが殺菌消毒という行為だったということです。
つまり、やけどを負った部位や傷口の周りの「さあ、頑張って再生するぞ」という細胞や「さあ、がんばって細菌と戦うぞ」という白血球をも同時にダメージを与えていたということなのですね。(だからといって、殺菌が不要だとは申しておりませんが)
だからきれいに洗うというステップを踏んで、余分な消毒をしないで、あとは現場にまかせるということでサランラップで隔離する。
これの方が、自らの細胞にダメージを与えないので再生も早く、きれいに再生するということなのですね。
最近では、殺菌剤のついた傷テープ以外にも、そういう透明な傷口を応援するパットみたいなものをドラッグストアに売ってるのを見ましたから、ある程度市民権を得たのではないかと思います。(つづく)
生活整体研究家
進化体操と和の体育
津田啓史 拝
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