デルタ株の影響は
【デルタ株の影響は】
8月3日の夕刊の読売新聞の記事が気になりましたので、予定を変更してコロナに関するお話を書きます。昨日の続きは書き終えていますので明日以後で続けますね。
みなさん、過去とはちょっと違ってきています。警戒しましょうというのが趣旨です。
東京の4,000人を超える新規陽性者数ですが、デルタ株の割合が90%です。一日平均1,000人目前の大阪も、デルタ株の割合は6割とか7割とかはいっているものと根拠なく思っていましたら、読売の記事によるとたったの3割でした。
ということは、今の大阪でデルタ株限定の新規陽性者数はまだたったの300人ほどだということになります。デルタ株が大半を占めていないから、1,000名程度で止まっているということでした。
以下は津田の正確なデータに基づかない試算です。今4,000人目前のデルタ株感染者を出している東京が、推定300人のデルタ株感染者だったのはいつなんだろうという推定です。
東京のデルタ株が50%になったのは7月14日ごろのようです。14日の東京の一日の感染者が1,149人、週平均で800人だった頃です。週平均で半分とすると400人ですね。その前の週が週平均600人ぐらいですから、デルタ株は半分以下なので200人台でしょうか?
何が言いたいかというと、東京都では7月1週目の後半から2週目に入ったあたりでデルタ株感染者が一日300人を通過したということです。そして、そこから、一か月経たないうちに一日最大4,000人を超えてしまったということです。
今日現在東京から出てくるデータというのは、ほぼデルタ株の感染状況だということです。
ですが、大阪はデルタ株はまだ3割。現状ではアルファ株が7割ですから、おおむねアルファ株の感染状況です。アルファ株だけを見ていたら、もしかしたら楽観的な見方でまもなくピークアウトして一見下がり始めるかもしれません。
ですが、東京でこれだけの勢いで感染者数を増やしているデルタ株が、関西では感染力を弱めるというのは考えられません。
そうすると、8月末に向かって大阪でもデルタ株の増加が続くと予想する方が合理的です。
前の週と今週を比較して何倍に増えているかという数値で見ると、東京のデルタ株中心で増加している現状では1.5倍を超えています。仮に300人のデルタ株感染者が毎週1.5倍ずつ増えるとどうなるでしょうか
8月1週目 300
8月2週目 450
8月3週目 675
8月4週目 1,012
8月5週目 1,518
これはデルタ型だけの試算です。実際には8月1週目の段階で大阪のアルファ株が+700人です。
と、ここまで書き終えたところで5日の朝刊を読んだら、関西のデルタ株の割合の最新情報が載せられていました。どうやら3日の読売の3割というデータは少し古い調査だったようです。
それによると大阪府56%、兵庫県67%、京都府にいたっては83%だそうです。すると上の試算が変わります。現状の大阪府の感染者を平均値で1,000名と置くと、その中のデルタ株感染者は560人ということになりますから、ここから週当たり1.5倍で試算をやりなおしてみます。 実際には、ここにアルファ株の人数が数百人単位で加算されたものが実際の感染者数ということになります。
8月1週目 560
8月2週目 840
8月3週目 1,260
8月4週目 1,890
8月5週目~9月1週目 2,835
もちろん、この試算の通りに増えることのないように願っています。
たとえば、京阪神でもっともデルタ株の割り合いが多い83%である京都の一週間前は163人でした。それが一週間後の水曜日に277人という過去最高になった例などを見ると、デルタ株が増えた時の感染の強さというのは、本当に怖いと思います。
この一年、毎日毎日感染者のグラフを見ていました。そして第四波までは、どんなに急角度で上がっているときでも、その角度というのは一定でした。
つまり100,150,200,250人と急激に増えていても、その伸び幅というのは50人前後で収まっていたということなのです。これは何を意味するかというと、その時点での感染者という分母は増えても、感染者からうつされる次の感染者は一定数、つまり感染「率」は下がっていっているということでした。
50人ずつ増えているグラフというのは
100人が150人に感染させれば1.5倍です。
200人が250人に感染させれば1.25倍です。
この倍率が1を切れば感染者は減っていきますから、いつかは感染は収束します。だから四波までは「欧米のようにはならないな」という安心感が少しあったのです。
でも最近のグラフは緩斜面・中ぐらい・急斜面という具合なものが見られます。これは本当に怖いです。過去は「広がりながらゆるやかになる」だったのが、今は「一定の強さで広がり続ける」になりかけています。
梅田の阪神百貨店でも、店員さんのクラスター100人以上という事例が出てきました。阪急百貨店本店でも出たらしいです。
上で試算してみたら、大阪だって今月末には3,000人を超える可能性があると書いています。でも東京は実際に7月最初にデルタ株推定300人だったのが一か月弱で3,000人を超えましたから、十分可能性がある数字です。(しかも、まだ東京もピークアウトしていません)
昨年欧米の数値として報道で見ていた数字が、日本でも出てくるような状況になってきているということです。
※ ※ ※
ワクチンが長期的に見ても安全かどうかというのは分かりませんが、現時点では高齢者の感染率を大幅に下げているのはまず間違いのないところです。
ワクチンが普及していない昨年に同じだけの強さで感染が広がっていたら、感染者も重症者も何割増しだったのは間違いないでしょう。現状の全国の重症者はおよそ800人。第4波のピークが1,400人でした。
重症者のピークは遅れてきます。過去2週間で400人ほど増えています。ということは今入院されている方から、あと2週間で200人~300人(かそれ以上)は増えますね。すると現状でも1,200~1,300人で過去のピーク目前という状況にすでになっている可能性があるということです。
もしも、日本で高齢者にワクチンを全然打っていなかったらどうなっていたでしょうね。
2週間ぐらい前に調べた時には、65歳以上の感染者は四分の一ぐらいに減っていました。一日1万人超えている日本の感染者を1万人と仮定すると、そのうち高齢者の割合が1,000人現状より多かったら。
たしか高齢者は10%ぐらいの割合で重症化していたと思うのですが、それを半分の5%が重症化していたとしても毎日50人現状よりも増えていたことになります。
ものの一週間ほどで400人近くなりますから、過去2週間で400人増えている重症者は倍増で800人。現時点で第四波のピーク1,400人を越えてしまっていたでしょうね。
上に書いた試算は、津田が数字を拾いながら考えた極めてアバウトな計算です。仮にワクチンが100%安全なものではないとしても、この一か月でワクチンの効果として救えた命もあったと思います。
ワクチンは安全だと言いたいわけではありません。推定救えた生命と長期間ワクチンの安全性を追跡して、結果としてどうだったかちゃんと検証してほしい、ということが言いたいのです。
生活整体研究家
進化体操と和の体育
津田啓史 拝
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