㊲自分を信じていないから

これができる人というのは、実はあんまりいないのではないかな、と思います。

そして私自身もあまりうまく説明することができません。なぜならまだ私自身が「身につけにかかる回路」を身につけていないからです。

努力はしないでもないですし、身につけたいというような思いもあります。しかしながらその後の行動が、身につけるという目的にぴったりと合っているかといえば合っていない。

最近でこそ、いろいろな試行錯誤の結果、自分なりの方法をおぼろげながら浮かび上がるようところまでくるのはきました。ですが、それは「するっと目的に合った行動ができる方法」ではなく、「やる気はないではないけれども、すぐに怠けたり見当はずれな目的にあっていない努力を是正するための何種類もの方法」というものになっています。

できる人のできる感覚というものはわかりません。私自身は「そうはできない人」なので、どうできなかったか、ということは体験でわかります。

まずは、達人たち名人の皆様方が身につけておられたレベルというものを、本当に自分が身につけられるということを心の底で信じていないのです。どこかでどうせ無理だろうけれども、できればいいな、というような心理が心のそこに横たわっています

何をどう頑張ったらそこに近づいていくのか、というのが皆目見えていません。なので、実は何をどう努力したらいいのかということも全然見えていないのです。

なので、目的に合っている努力=必要な要素の積み重ね にはならず、「なんとなく自分が努力しているような気になること」を思い出したようにやってみる。でももともと目的達成に合っているわけではないので、結果はでない。じきに息切れをする、そういうことを繰り返すばかりでした。

前回の「タイガーマスクの関節技」をするっと覚えて、掛けてもらったというようなときにその差を感じたのです。私の中ではタイガーマスクのやっている高度なプロレスの関節技というジャンルにくくられてしまい、到底「どんな技なのか、とりあえず自分の身につけてしまう」というような発想、回路がなかったのでした。