(60)岡島先生のこと

抜きんでていい結果が出るにせよ、こんなに大量のプログラムを毎日一人で進められないだろうなと感じたのですね。またたとえばサラリーマンのような生活で、生活の中に取り入れようとしたら、何をどれだけやればいいんだろう、というのは受講中から頭を占めていたことでした。

うろ覚えですが、沖ヨガのスタッフの方にその思いを聞いてもらったのかな。(後日大槻ヨガの合宿について同じことを思って先輩の先生に話を聞いてもらったのかもしれません)自宅に帰ったらこんなに大量で幅広いことを続けられません、どうしたらいいでしょうか?ということですね。指導者の方にお尋ねしたことがありました。

その時のお答えは覚えていて、「このプログラムはふだんの生活の対極を体験してもらうためのもので、決して帰ってからこれをこの通りに実行するためのものではないのですよ」と、確かそういう説明をしていただいたことは記憶に残っています。

それでいく分気が楽になった面はあったものの、日常生活の中に何をどれぐらいどう組み込んでいけばいいのかというのは、ずっと自分の中にテーマとして残っていました。

そういう自分の中に答えがおさまらないことを抱えていた20代でした。20代後半ぐらいかと思いますが、のちに私の最初の整体の先生になる岡島治夫、のちに得度されて岡島瑞徳先生の著作にいろいろと得るところがありました。

岡島先生は、やはり沖ヨガを学ばれ、その後に野口晴哉先生の講習も受けられていました。自分がやりたいなと思っていた道を先に歩かれているわけです。

確か「自然健康道入門」というご本だったと思いますが、その中で、ご自身もまだそれができるわけではないけれども、目指す方向として

「たとえばバイオリニストが、バイオリンを弾く行為そのものが整体になっていくようなありようを理想とする」

というようなことを書かれていました。これはかなり心に響いたと記憶しています。