免疫力を高めるために決定的に必要なこと

どんなに気を付けてもうつるときはうつる。まだまだその正体がはっきりしない新型コロナは、先にかかった人がおられてこそ、データは集まり少しずつ解明が進みます。

先達のみなさん、ありがとうございます。お疲れ様です。 いつかは私も追いつくかもしれません。その節はよろしくお願いします。

意味なく恐れるより、いろいろ知ってやれることを増やしましょう。ということで今日も免疫のお話。免疫に対しての視野を広げようその4つ目です。

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【免疫力を高めるために決定的に必要なこと】

先週末にNHKのプロフェッショナルで奈良県立医大(日本で最初にコロナ患者を受け入れた病院だそうです)の4月中旬からの記録を見ました。医療の方の大変さがよくわかりました。発災直後の被災地の緊迫感と同じものを感じました。

私は新型コロナへの長期的な印象として「少なくとも日本は欧米などと比較して、軽症ですみ感染の爆発力も結果的に弱い方向でデータがでている」という立ち位置を支持していますが、最前線で尽力される重症化するかもしれない人と向き合っておられる方々のことは、常に考えておかないといけないことなんだということを強く感じつつ、今日の投稿です。

免疫を鍛えるとか、高めるという言説があふれております(私もですけど)。それで、ここから書くことは一部を切り取って独り歩きすると誤解を招きますから、私のふだんの言ってることと併せてご理解いただきたいと思います。

世の中にはコロナ以外のウイルスだっているし、細菌だっています。細菌とかばい菌とかいって殺菌とか消毒とか言って毛嫌いしますが、みそも醤油もカルピスもチーズもワインも日本酒も、発酵食品や酒類などはすべて細菌による作用です。腸内にだって皮膚の上だってたくさんいます。ヤクルトやビオフェルミンは腸への微生物=細菌の補給です。ぬか漬けができるのはお母さんの手についている乳酸菌がぬかに入り込むからです。ぬか漬けに感じるおふくろの味はおふくろの乳酸菌の味なのです。

私の細胞ではないにもかかわらず、私が生きていくのをたくさんの微生物が体内体外で助けてくれています。コイケさんに言われなくても、私たちはとっくに「with 微生物」なのです。

だから片っ端から菌を死滅させた環境を望むというのは、けっこう不自然ではありませんかということを一つ言いたい。

おっさんが臭くなったり、娘が父親を臭く感じたりしてしまうぐらい身体そのものは免疫というものにかなりの重要問題として発達させてきた進化の歴史があります。そういった身体の過去の努力ももっと信頼してみませんか、合わせてみませんかというお話しです。

治癒や治療は外側から持ってくるものだという誤解が広まっていますから、免疫に関しても「免疫力を高める食べ物」とか「サプリ」とかいうように「外側から補給することで、免疫って高まる」かのような切り口があふれております。

でもちょっと立ち止まってお考え下さい。

免疫とは、外側からくる有害な生物的侵入に対しての対処能力のことです。何億年かけていろいろな状況に対処しながら高めてきた、もともとあなたに内在する能力です。

そしてあなたに備わっているあらゆる能力は使えば発達し、使わなければ委縮します。再度書きますが、これは「今、目の前のコロナ、今、感染してしまった人」への対処法ではありません。今後の一生をどのスタンスで生きますかというお話しです。今感染してしまった人は、医療の方の範疇です。ありがとうございます。私も感染し重症化してしまったときにはお世話になります。そうならないよう心がけます。

健康な人がけがで一週間も入院して寝たきりになっただけで、退院時に歩くのに相当苦労する、という話を聞きます。しばらく目を閉じると、光がまぶしくてたまらなくなります。赤ちゃんの時にあまりにクーラーの効いた部屋だけで過ごすと、汗腺が発達できず、汗をあまりかけない大人になるそうです。あらゆる能力は使わないと退化します。

というあたりはふんふんと肯定的にうなづいた方も、次の部分になると急に受け入れがたくなる人も多かろうと予想します。

あらゆる能力は使わないと退化するのであれば、免疫も使わなければその性能は上がっていかない、ということになります。ならば免疫という対処能力を十全に働かせるには、極論「せっせと風邪を引いた方がいい」ということです。「生命にかかわらない病気」であれば、余分に治療はしないで、自力で経過させるということを繰り返すことこそ最も重要だということになります。(もちろん生命にかかわるものは医療の力を借りることが必要です。そこまでは否定していません。私も借ります。その節はよろしくお願いします)

言い換えると、風邪をひいても風邪薬を飲まない、解熱剤を飲まない、お医者さんに抗生物質処方してもらわない、ということです。生命にかかわらない病気は自力で経過していく。この繰り返しこそ免疫機能の対処能力を高めていくことにはなりませんか?

例えば熱が出るということはとても重要です。続きは次回に。