どこが暑い?

【どこが暑い?】

前回書いたことは「遠隔治療をしないのは、自分が何をどうやっているのか確認・修正のしようがないから、私のようなタイプの人間がそんなあてずっぽうなことを追いかけたら、たいした素質もないのに地道な探求から外れてしまうからやらない」という話です。

津田が遠隔治療をしないのは

私にとってそれが有利な選択が不利な選択かということです。私はいちいち確かめながら進むという方針を採用していますということです。

そういうステップがなくても高いレベルでできる人は(知り合いの中にも)いるし、そういう素質才能のある方はそれを生かされればいい。あくまでも津田モデルの話です。

さて、お盆を過ぎてもお昼間は暑い。(8月21日~25日ごろ書いています)これにはまったく異論がありません。体温を超える気温で物理的に涼しいわけがない。暑いというよりは熱いと感じるレベルです。それでこの「暑い」という感覚は単に気温の高さを述べているだけではありません。暑さというものに、負けているというニュアンスがあります。

ボクシングであればロープ際に追い詰められ、相撲であれば土俵際に追い込まれ、野球でいえばピッチャーが撃ち込まれてランナーがたまっている。こういう「相手に攻め込まれている感」をともなって「暑いですねー」と言葉を交わしているのにみなさんも異論はなかろうと思います。

それである年の夏、会う人会う人同士「暑いですね」「そうですね」と頻繁にやり取りをしているうちに、「暑いのは確かだが、暑さにやられっぱなしというのも腹が立つ。いったい私のどこが暑くて俺は暑いと言っているのだろう」と思いました。

それで闇夜で小さな懐中電灯で皮膚についたゴマ粒を探すみたいな感じで、全身くまなく「暑いと感じている部位」を探しました。そうしたら、以外でした。圧倒的に暑い!と言っている部位がないのです。

洋服の中であっても悲鳴を上げていないし、それどころか額とか首だとか汗をかいているところを調べたら、逆に汗が蒸発するときの奪熱で涼しいと登録した方が正確だぞ、というところまでありました。

「助けてくれー」というから誰が困っているのか調べたら、誰も助けを求めていなかったとまでは言わないまでも、大して困っていなかったぐらいの感じです。身体各部分の暑さへの不快感を足していっても「暑い~、死ぬ~」と言っていた不快感に届かなかったということです。

さらにいうと「身体の中で暑いと悲鳴を上げているか所」を特定しようとすると、「暑くない場所」を同時に確定していく作業が行われます。散らかっている場所を確定するためには、片付いている場所をみないといけないという理屈です。

そうすると暑い箇所を特定するために、涼しい場所を確定していくと、涼しい場所の方が快適なのでそこに意識が残る。そうすると結果として暑い箇所の特定作業のはずなのに、涼しい、快適だというピースばかりを残すジグソーパズルみたいになってどんどん快適になっていきました。

ほとんど行けていませんがサウナが好きです。サウナと水風呂の往復を数回繰り返すと、超絶深呼吸回路が発動して、一分に4~5呼吸ぐらいになってただただ気持ちいい「全身呼吸」状態になります。サウナだけだとならないで水風呂とセットでないと起こりません。だから水風呂が大事です。

ところが水シャワーでも水風呂でも冷たい。足は水につけられても、一気にしゃがむのに勇気がいります。冷たさに全身で「キャッ」っとなる。「ひーっ」となる。ところが足を入れるのはおおむね平気なのです。腕も平気。顔も平気。おおむね下着に覆われる胴体のエリアだけが冷たいという。これまた俺の「キャー冷たい!」は、どこが悲鳴を上げているのか調べてみることにしました。

次回に続く

 

進化体操と和の体育
津田啓史(つだひろふみ) 拝