身体の言い分を聞く という呼吸法を使ったセルフ生活整体のしかた 1

【身体の言い分を聞く という呼吸法を使ったセルフ生活整体のしかた 1】


●「する」と「なる」とは大違い 深呼吸の見落とし


日中は日差しが強くても朝晩はずいぶん涼しくなりました。猛暑の中では息も絶え絶えになりますが、涼しいと空気が澄んだ感じになりますね。ということで本日からは「呼吸」を使った生活整体のお話です。

呼吸を深くすると健康にいい、メンタルにいい、と言われます。たしかに身体頑強な人は鼻息荒い印象があるし、身も心も疲れ果てている人は息も絶え絶えです。だから健康法の指導者やヨガの先生などが「呼吸を深くしましょう」と言います。

確かに。やらないよりはやった方がいい。でもそこには見落としがあります。

それが「する」と「なる」の違いです。

呼吸が深いのはいい。それは間違いありません。心身が良好な人は呼吸が深いのです。だから呼吸を深くすればいい、と考えがちです。でも待ってください。呼吸が深い人というのは「すでに呼吸が深い」人なのです。「呼吸を深くした人」ではないのです。

背の高い人と背伸びをしている人はやはり別物なのです。大きい声が出る人は大きい声を出せるのですが、大きい声を出す人は、出しているうちにのどが枯れ、声をつぶします。やはり結果だけをまねしてもうまくいきません。

私が団体に所属してヨガの指導者を10年以上やっていたときから、こっそり思っていたことでした。

指導員指導者として生徒さんの前に立つには、それなりの完成度、つまり柔軟性が求められます。開脚は90度で精いっぱい、立って前屈しても手先は床につかない、反っても背骨は棒のように突っ張るというのでは生徒さんからしても習う気にならないのでやむを得ないでしょうね。

身体がカチカチだった人が、それ相応の見てくれのポーズが取れるようになる過程で、身体にはさまざまな新鮮な刺激が多角的にもたらされますから、やらないよりはやった方がいい。それは確かです。

でも何となく「ヨガ」のイメージとして発信している「神秘的な何らかの高み」「高い精神性」みたいなものは、柔軟性を高めたからといって得られる感じがしないのです。単純に「柔軟性」「関節の可動域」を高める広げるという作業だけではという意味です。

柔軟性を高めれば健康になるというのであれば、新体操の選手なんか200年ぐらい死なないことになりますがそうはいかない。

それで思っていたのが「弟子たち、みんな勘違い仮説」です。

ヨガの偉大なるグルは、柔軟性を高めようとか、呼吸を深くしようとか、そういうことは求めていなかった。それとは違う何かを追いかけていった。

結果として、呼吸は深く長くなった。身体は極めて柔軟になって、関節の可動域は極めて広くなった。なったんだけど、それは単なる結果であって、それを追い求めていたわけではなかった。

ところが弟子たちはそのグル、師匠が追い求めていた「何か」というところはつかめなかった。一方で結果としての柔軟性や呼吸の深さ長さだけは見ても分かりやすかった。だからその見た目が追いつくように頑張っちゃった。みたいなところがあるんじゃないかなと思っていました。

それで私はヨガの次に野口整体を学ぶわけです。そうすると、「今の自分に特殊な訓練、大量の訓練を足すことで高みにいく」というのとは違う景色がたくさんありました。

「あんた、自分の身体の取り扱いを間違えているから、まずはそこに手を付けようか。身体の設計図、身体の取り扱い説明書通りに使ってないで」

という世界です。(つづく)


生活整体研究家
進化体操と和の体育

津田啓史 拝

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