(53)東洋医学 東洋体育方面に行くぞ!

友人と二人で立ち上げたサークルでキャンパス情報誌を作って、商業実習だと割り切り、学部棟から発売中の大垂れ幕をぶらせげたりして売り上げを伸ばし、3000人台の大学で1000部まで売ったりしていました。

4年の時には自分で小屋を借りて「セルフコピーショップ」をやったら大当たり。期間限定のつもりが、儲かるものだから最初の理念や理想もなんのその。「お客様を第一に考えての日本一の真の商人(あきんど)になる」という理想は、目の前の現金を前にたやすく揺らぐのでした。理念理想よりも目の前の現金でした(笑)。

結果として理想としてえがいた「真のあきんどになる路線」は「今の自分には無理」となりました。

将来の夢が無くなっていたときに、バイト先のマスターの腰を指圧しながら「あれ、俺って何にあこがれていた時も、小学校の高学年から大学生まで一貫してヨガとか武道とか指圧とかずっと勉強してたやん」と気づいたのでした。

というので急転直下将来をそういった「東洋医学系、東洋体育系」に向かうことになった結果今があるのですから、島根大学に応援団がなかったことは幸いしたのかもしれません。

それで、いろいろと調べて、その時点で興味があったもの、これは本物だ、本格だと思っていたもので、将来の選択肢が3つ出てきました。藤平光一先生の「心身統一合気道」と「沖ヨガ」と「鍼灸学校」で国家資格を取る。この3本のラインをできれば複数やりたいというところまで絞り込みました。

でも、鍼灸学校は学費が高い。当時でも初年度納付金が200万円以上が必要でした。新聞広告で「廃品回収業 一日1万円可能 月収30万も!」というのを見つけて、これなら学費がたまるかなと思いましたが、肝心の免許がありません。そこで自動車学校に行きましたら、びっくりしました。

それほど運動神経が悪い方ではないと思っていたのですが、教習が始まると実技が全然進みません。廃品回収をするための自動車免許を取るための補修で費用がどんどん膨らんでいきます。貯金がどんどん減っていきます。私はどうも「生身の身体」以外はほとんど興味がなく、おそらく機械の方もそんな私の思いが伝わるのでしょう。相性が悪いことこの上ないのです。

これじゃあ免許が取れても廃品回収しながら事故るな、と免許を取っただけでほぼ終わってしまいました。私が廃品回収業をやろうとしていることを聞いた教育学部のN君は、すでに免許を持っていたために先に始めていたのですが、実際に始めると

「あんなにもうかるなんて嘘」

とも言っていました。ということで学費問題で鍼灸学校は後回しになりました。