接触感染の意味って知っています?
【接触感染の意味って知っています?】
新型コロナについてですが、一度出回った言葉が市民権を得ると実は意味が不明確なままで流通してしまいます。
私がかなり違和感があるのが「気のゆるみ」という言葉です。そんなアバウトな言葉でどうやって行動を感染防止の具体策のレベルアップにつなげるというのでしょうか。必要なのはまず具体的な行動の基準が明示されていることで、それの実行度合いが80%だとか70%だというのなら訳が分かる、ということを言っています。
気が緩んでいても、感染機会を大幅に低下させることができていれば何の問題もありません。気が引き締まっていても、行動が間違えていて、あるいは知識がきちんと伝わっていなくて、感染予防にならない行動を気を引き締めていてもむなしい努力です。簡単に「気のゆるみ」という言葉で片づけるんじゃないわいと思います。
よく言われる「新型コロナは飛沫感染と接触感染で感染する」という言い回し。聞いたことありますよね。
飛沫感染の方はイメージが共有できているみたいです。しゃべる・咳をする・くしゃみをしたときに出るウイルスを含んだ唾液の「飛沫」が飛んで、それが前にいる人が吸い込んで目や鼻や口の中の粘膜から体内に入って感染する感染経路のことですね。
もう一つ「接触感染」の意味はご存じですか?家人にイメージを聞いたら「キスしたりハグしたらうつる?」と言っていました。はい、違います。
【接触感染】
鼻や口にさわったりしたことでウイルスの付着した手や、汚染された物を触れることで、主に手が汚染され、さらにその汚染された手で目・鼻・口などの粘膜を触ることでウイルスが感染する経路のこと。ドアノブやエレベーターなどのボタン類、ジムでの共有機材などでも起こる可能性があるルートです。
ウイルスが主とし指などについた後、自分の目や鼻や唇や口の中などの「粘膜」に触れることで感染する経路のことです。再三書いていますが「粘膜に付着」することで感染します。手で触っただけでは感染できないのです。では粘膜って何でしょうか?
【皮膚と粘膜】
皮膚も粘膜も大雑把に言えば同じです。が、ウイルス感染とかかわる点を説明しおくと「表面が角質というバリアで守られているのが皮膚、角質がないのが粘膜」ということです。
ウイルスというのはゲームカセットみたいなもので、プレイする機械(生きた細胞)に差し込んで初めて生き物として増殖します。皮膚の角質というのは、死んだ皮膚の細胞を使ったバリアですから生きていないのです。だから、電源の入ってないゲーム機みたいなもので差し込んでもウイルス増殖というゲームは始まらないのです。
皮膚は雨合羽。粘膜は布。ウイルスが雨粒だとしたら、粘膜以外にはウイルスは浸み込めない。だから感染したくてもできない。
なのでキスは最悪で、ハグだけなら感染の危険性は大幅に減らせるということですね。握手してもうつらない。ただその握手した手で粘膜を触れば危険性は増す、とこういうことです。
【ウイルスの濃度】
もう一つ。感染するにはそれ相応のウイルスの数が必要だそうです。新型コロナの感染に必要なウイルスの数を調べてみたけれどわかりませんでした。下痢や嘔吐をともない消化器に異常が出るノロウイルスというのはすごかった。二桁の数で感染します。
そのほかのウイルスやら菌はけっこう何千という単位が必要でした。ですが、新型コロナはノロほど少しでうつるものではなさそうです。(京都大学でウイルスを研究している宮沢先生のお話しから)
一粒でもあったらアウトではなく、何千何万かはわかりませんが、そこそこの数がいないと感染できないのです。だから薄めればうつっても免疫がねじ伏せてしまう。だから換気です。ウイルスを薄めてやれば怖さが減ります。ウイルスが一匹でもいたら感染するわけではないのです。
【結論】
「目をかくな、鼻・口さわるな、ウイルス薄めろ」
そして
「触る前には手を洗え」です。