経絡が見える達人を追ってみた
【経絡が見える達人を追ってみた】
達人のおかげで自分の中の常識や基準がぱっと変えられる。それが後々にすごくつながる、ということを前回⇩書きました。
大学生を卒業しヨガの指導者になる20代のころに、故・増永静人という先生の指圧の本と出合いました。一般的な健康法の本に比べてそのとらえ方の深さにとても感動しました。最初に読んだのが「スジとツボの健康法」という本でした。いかにもお手軽な健康法的なタイトルですが、中身はもう目からうろこがはがれまくりという豊富な経験の裏打ちされたとても深い内容の本でした。
増永先生の指圧を一度受けたい!と思い30歳になったころになんとか時間ができて、その本にあった関東のお宅の電話番号に予約?問い合わせをしましたら、奥様が出られて、時すでに遅し。なんと増永先生は亡くなられて三カ月だったのです。名人・天才は往々に早世される方も多いですね。
そこからずいぶん経ってから、増永先生の晩年のお弟子さんの本と出合いました。遠藤喨及先生といい、タオ指圧と称されていました。増永~遠藤先生に共通するのは「経絡が見える」ようになった指圧師だということです。
私の基本的な立ち位置は「チャクラでも経絡でも陰陽五行でも何千年経てすたれていないものは基本的にそれだけの価値のあるもので、絵空事ではない、たぶんある」という立場です。ただし「現代人の解釈や使い方は表面的だったり形をなぞっているだけで、本質を受け取ってない可能性が圧倒的に高いという前提をとる」というものです。
話しは戻りまして、増永先生は亡くなられていたのですが、当時のお弟子さんの指圧を受けることはでき、その時に手に入るだけの先生のご本を買い求めました。そんな中に「新・経絡図」というようなものがあり、その価値も分からず壁に貼って持っておりました。遠藤先生のご本を通して分かったのが、増永先生も(遠藤先生も)経絡が見えていたということなんですね。
指圧に励んでいるうちに経絡が見えるようになってきた。そうすると古典に伝えられている線とは違ってきた。線も増えた。見えてくる経絡で治療するとちゃんと効果が出る。効果が出る以上そちらに準拠して治療するのが治療家としての誠実さである、新しい経絡図発表しちゃおう、と、こういうことだったのでしょうね。
でもこれって既存の治療家からの風当たり、きつかったろうなと思います。だって「あんたらのやっている古い経絡図は間違いでっせ」と突き付けられているようなものですからね。反発したり否定されたりしたのではないかなと想像します。
でも「そらー、古典が確立したころの世の中や自然と人間の身体と、現代を生きる人を取り巻く自然環境や人間の身体とは全然違うんだから、経絡が変わってもおかしくはないだろう」ということで新経絡図で進まれ、遠藤先生もその路線をさらに進んでいかれました。
それで15年ぐらい前かな。遠藤先生が経絡が見えるようになるまで3年かかったという記述をもとに、およそ1万人ぐらいを整体していけば見えるようになるかもと計算して、整体の人数をずっと記録していました。1万人を超えましたが、これは見えるようにはなりませんでした。やっぱり「あ、これならいけるかも」という「キャッチした何か」「変化した何か」がもとにない時はなかなか実りませんね。
達人のおかげで自分の中の常識が変わる、というお話し、もう少し続きます。