新型コロナ感染予防と熱中症予防の共通対策!

どんなに気を付けてもうつるときはうつる。

まだまだその正体がはっきりしない新型コロナは、先にかかった人がおられてこそ、データは集まり少しずつ解明が進みます。

先達のみなさん、ありがとうございます。お疲れ様です。

いつかは私も追いつくかもしれません。その節はよろしくお願いします。

今日もコロナからは少し離れて「熱中症」ですが、調べていくと熱中症対策とコロナ対策が重なってくることが分かりました。今回と次回の二回で解説します。

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【新型コロナ感染予防と熱中症予防の共通対策!】

病気にかかってしまった後の治療はお医者さんですが、身体にもともとあった機能を十全に使えるようにして、かかりにくく、かかっても軽くすむように事前に整えて置こう、丈夫になっていこうというのは整体であり和の体育の立ち位置です。

コロナ禍に加えて熱中症の影響がすごくなってきました。この原稿を書いているのは、浜松が41度を連日超えた翌日です。読売新聞によると全国で175人の人が熱中症で救急搬送されたそうです。

熱中症とは「暑熱環境における身体適応の障がいによっておこる状態の総称」というのが定義です。体温とか脈拍とか呼吸とか意識とか、ふだんなら少々のことでも「この範囲内におさめておける」というものが、もう無理!とコントロールできなくなったような身体の状態です。

それで「熱中症には水分補給」とマスコミは端的にまとめますが、前に書いたように昭和の中学校高校の運動部は「水分禁止」にもかかわらず、熱中症で救急搬送というのはほぼ聞かなかった。非常にまれでした。今よりは暑くなかったのは確かですが、それだけでは説明がつかないぐらい、昭和の運動部は毎日毎日大量に水分不足生徒を作り出していましたが、なぜほとんど熱中症にならなかったのか、というところが掘り下げられていません。

もう一つ。室内でクーラーをかけていたのに熱中症、というような高齢の方の事例もあります。さほど温度が高くないのに熱中症という事例もあります。これも高齢者は弱いというだけのくくりにしていいと思えません。

「暑熱環境における身体適応の障がいによっておこる状態」というのを自動車で例えるとオーバーヒートです。身体のオーバーヒートでコントロール不能になったのが熱中症だと考えます。自動車がラジエターで冷やしているのはエンジンです。冷やさないと焼き付いて走れなくなります。

では人間は、どこを冷やさないといけないのでしょうか?

深部体温を下げないといけないとは言われますが、症状としておこる発汗の異常、脈拍、意識など脳がコントロールを分担している部分が圧倒的に多いので脳を冷やすというのは最優先されるべきでしょう。40.5度を超えると機能不全になります。

脳というところはふだんからよく仕事をしているので脳で発熱しています。脳は(毎分?)20W発熱し、毎分4リットルの血液で冷やしているそうです。血液というのは、身体を温めているものと思っていましたが、脳にとっては逆に冷やす材料なのですね。それだけ脳というところが仕事で発熱し、熱くなりすぎると機能低下してしまうという証左でしょう。

そして血液による脳の冷却が「水冷式」なら呼吸による脳の冷却が「空冷式」です。どこで冷やすかと言えば鼻腔です。鼻の奥というのは、脳の下部とミリ単位の近さで接しています。そしてそこは常に粘液を分泌してウエットです。濡れたところに風を当てると気化熱で熱は奪われます。

私たちは鼻呼吸で脳を冷やしていたのです。脳というのは進化にそって発達してきました。おもいきり単純化すると、人間の脳は脊椎に近い下の奥の方ほど人間になる以前の動物生物からある脳で、上の外側ほど人間になってからできた脳です。

つまり鼻呼吸で冷やされる脳というのは下の方にあります。より原始的な脳。生命維持とかかわっている体温とか呼吸とかそういうものと関係の深い脳に位置的に近いということです。口呼吸になるほどそこの冷却機能が落ちるわけです。

一つ実験してみてください。

口を閉じた鼻呼吸で深く大きな呼吸をするときと、口を開けた口呼吸で大きな呼吸をするのとの体感を比べてみてほしいのです。私は鼻呼吸の方が涼しく冷静になり、口呼吸の方が暑苦しく不安定になると感じますが、自分で思いついたことなのでぜったいにひいき目が入ります。なので、みなさん無心に比べてみてほしいのです。

熱中症の原因の一つに口呼吸があるのではないか、という仮説です。

 

進化体操と和の体育
津田啓史(つだひろふみ)拝

 

※前回⇩の「熱中症対策としての水分の取り方」の動画を作りました。

熱中症を表と裏から考える

【動画】期間限定 熱中症対策の水分の取り方を間違うとかえってマイナス