⑱病気がぱっと治りました、にならない体験談

さて30以上も前に読んだ、野口整体体験記なので、正確には覚えていませんし(といっても、その記事のイラストのタッチなんかはちゃんと覚えていたりするのでもありますが)、他の雑誌記事などと混同している部分もあるかもしれませんが、そこはご容赦ください。

そのライターさんの記事で印象深いのは、整体を受けたら、さらっと奇跡的に簡単に病気が治りました、痛みが取れました、というようなものではなかったのです。

施術の指、押さえは気持ちよかった、ここしかないという場所にこれしかないという角度で、ぴたっと押さえられた。施術が終わってさらっと楽になるのではなく、とにかくあくびが出て出て止まらない。眠たくてたまらない時期が数週間だったか数カ月だったか続いてようやくおさまった、というようなニュアンスのことが書いてありました。

難病がすっきりと治りました、というようなことは書かれていません。ほめているのか、いないのかよくわかりません。「野口整体はすごいすごい」のちょうちん記事なら書きそうもない内容です。

そこに逆にリアリティを感じたのですね。この記事だったか別に読んだ内容だったかは忘れましたが、「鼻が曲がりそうな臭い膿のような鼻汁がかんでもかんでも出続けた」とか、急にどこそこかから痛みが出てきて、しばらく続いて、ふと思い出すとうん十年前にスキーに行ってひどくぶつけたところだったことを思い出したとか、そういう感じの体験談が多い。

「先生の手にかかったら、わずか数分でうそのように痛みが無くなりました」なんて記事はほとんど記憶にありません。いったん「どろどろ」として時期を通るような体験記が多いのです。

でも、こういうふうに考えたらどうでしょう?

どうしようもない悲しいことがあって、何時間も泣くだけないたら、すっきりとして切り替えることができた、というような話ならよく耳にしませんか?「泣くだけなく」というような形で必要量を発散することでおさまりがつく、というような現象は帳尻が合っていると感じるのです。

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