㉛震災整体ボランティア

なんなんでしょうね。とにかく気はあせるけれども行動が出てこない。

阪神大震災の時は「ボランティア元年」と言われたときで、とにかく大量の人が神戸に入り、自発的なボランティア活動をしていたようです。

最近なら該当地域の社会福祉協議会が中心になって「災害ボランティアセンター」がたちますから、とりあえずそこに行けば何かできる。当時はそんな仕組みはまだ整備されていませんから、自分で行って困っている場所を自分で探して、自分でやれることを見つけてやる、そういう方法がメインでした。

そうやって何もできずにテレビだけみて、悶々としていました。

一か月ほど過ぎた2月下旬。河野先生が整体の後輩を連れて、神戸にボランティアで入るという話になりました。芦屋の精道町の武道館でした。私もちょうど休みが重なったので合流させてもらいました。

柔道場だったと思います。そこで整体のコーナーを作る。整体の心得のある人が複数、シンプルな手当「愉氣」をします。その後で河野先生が背骨を読んで、一人一人に合わせた整体をされる。

私は当時はまだ整体の心得がなかったので、足湯コーナーでお湯の番をする役でした。そしてそれらの「災害時の整体ボランティア」を見ながら「いいなあ、いいなあ」と思っていました。

道具がいらない。寝る場所さえあればできるし、寝るところがなければ椅子に座ったままでもできなくはない。器具も必要としない。指さえあればできる。そして、災害時には多くの人がとても大きなストレスを抱えて、身体が固まってしまっています。

そこに整体、それも背骨を読んで一人一人に病院であれば「診断」に当たることをして、その身体の傾向に対して必要な整体を施していく。もともと魅力を感じていた整体の世界ですが、災害時に目の当たりにすることで、ますます整体を身につけたいという思いが大きくなりました。