㊺200人がやる気を持って

話はもうすでにリーダー・現場監督として駆け付けた消防隊の人に入るセクションの指示までするところまで書いてしまいましたが、書きたかったのはその前の部分です。

なりゆきでぱぱっとリーダーの座におさまったわけでないのです。周りが徐々に「あの人が現場監督?」という目で見始めているのを感じても、できるだけそうならないようにふるまっていたのです。

下にいるメンバーに上の様子を見てきてほしいと頼まれたので、たまたまテトラポットの中央から、波打ち際にいる仲間に声をかけているだけに見えるように見えるようにふるまったのです。みなさんと同じ一般ボランティアに戻れるように戻れるようにふるまったのです。

「みなさーん、上はドラム缶がいっぱいで交換中ですから、しばらく休憩ですー」なんてことは最初から言わなかったのです。波打ち際にいる遠隔地から来たボランティア仲間に

「あー、〇〇君、ドラム缶がいっぱいやから、しばらくリレーは動かへんみたいやね」

みたいに声をかけて個人に戻ろう戻ろうとしていたのです。ですが、しばらく200人のバケツリレーの中央にいたらだんだんわかってきたのです。ここに一名いて全体に進行状況を伝える、情報を共有できるようにする、というだけでとてもうまく回るのです。

大体自分の性格として、人のやっていることを見て、自分はやらないくせにああだこうだと文句だけつける人が大っ嫌いなのでした。

「文句言うだけなら誰でもできるんじゃい、そないに偉そうなことを言うなら自分で行って旗振らんかいボケ」

などと思ってしまうので結局自分でやる羽目になるのです。

でもこれって、実は整体の目指している技術そのものだったんだなということを今書いていて強く思います。