㊽応援団 その2

バレーの応援というのは、短いのです。

野球みたいに一人のバッターが延々バッターボックスに入って、勝負がつくまで何分もかかるというのとは違います。ボールが行き来している間は見守り、ポイントが入ったらすかさず「いいぞ、いいぞ、いいぞ、いいぞ」と4~5秒で連呼する、というような応援の型でした。

たしか近藤先生という先生が応援団経験者で、その時指導してくださったのかな。状況に応じて「いいぞ!」とか「もう一本」とか「ガンバレ」とか書いたボール紙をリーダーに見せる。ブロックが決まったら「いいぞ!」の4連呼だとか、サーブが決まったら「もう一本!」の4連呼という具合です。

それで体育館の舞台の上で、幕が下りた状態で練習していました。舞台の下の体育館では、その県大会決勝出場決定の女子バレー部のみなさんが練習していました。鍛え上げられたバレー部の練習の熱気の掛け声の合間に、舞台の幕の裏からどうやら決勝戦で自分たちを応援するらしい一年坊主の素人臭い気合の足りない応援が聞こえるのでしょう。

ふと気づくと、練習の合間の小休止に、幕をくぐって舞台側に顔を突っ込んだ女子バレー部のお姉さま方が、舞台の縁に腕とあごを乗せてにこにこしながら一年坊主の急造応援団を眺めていたりして、二学年上のお姉さま方の迫力と色気にちょっとドキドキする一年坊主たちだったのでした。

ちなみにわが校女子バレー部のみなさんは、決勝を勝ち抜き全国大会へ。試合が終わると顧問の先生が財布からさっと5000円札を抜き出し、「お疲れさん、みんなで何か食べて帰り」と慰労金を頂き、臨時団員一同阪急武庫之荘駅の立ち食いソバで、きつね、天ぷら、揚げ全部乗せを頂いて帰ったのでした。

書いているといろんなことを思い出すものです。さらにさかのぼって一つ思い出しました。私が一年生の夏に、なんと硬式野球部が夏の県大会で決勝戦まで勝ち残ったのでした。もう一つ勝てば甲子園に行けるのです。

高校野球の時の応援団というのは、正式な応援団のないわが校では、野球部一年生がリーダー部(学生服を着てリードする係り)を務めるのが伝統だったようです。それに吹奏楽部とバトン部が加わっての応援でした。

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