共通するのは鼻呼吸です
【共通するのは鼻呼吸です】
慢性疾患の多くが、もともと身体に備わっている生きるための機能が過剰に反応してしまうか、働きすぎて疲弊して機能低下を起こしているか、というものが非常に多いということを前回⇩書きました。
コショウが鼻に入ればくしゃみや鼻水が止まらないのは当たり前で、一刻も早く刺激物を体外に洗い流そうとする防衛反応です。
それが少量の花粉程度で緊急に洗い流さないからと言って、致命的なダメージがあるようなものでもないにもかかわらず、涙鼻水が止まらないから花粉症という病気扱いをされてしまいます。
でも人間の営みを探していくと、そういう「ほんの少しの刺激で反応が止まらないこと」というのは、別に病気以前に目にしている現象でした。たとえば誰かからの何かの一言がヒットして「笑いのツボに入った」という人があります。もうそうなったらあとに続くどういう単語が耳に入っても笑いが止まらない。
意図的に起こすものとしては「林間学校の肝試しの前の怖い話」などがありますね。屋外に出発する前にわざわざ怪談をする。そうすると「カサッ」という虫か風の起こすような物音さえ恐怖に転換してパニックになります。泣き叫びながら歩くことになります。
つまり私たちの身体は、処理能力を超えて使い続けると、マヒして馬鹿になる場合もあるけれど、過剰反応パニックになることもざらである、というぐらいのレベルの身体で生まれてきているわけです。
なので、肝試し前の「怖い話を聞いてしまってびくびくしているような状態」にできるだけならないようにしておくことが必要ということになります。笑いのツボに入った人は完ぺきに笑うための準備ができています。どういう刺激が来ても笑いに転換できるような準備が完璧です。
肝試しでパニくる人は、もう怖がる準備が万全です。何か均衡を破るものがあれば、どういうものであっても恐怖に転換できる状態が出来上がっています。
あいうべ体操の今井一彰先生は、そういった自己免疫的な疾患が起こってしまう準備として、慢性的に炎症が起こっている状態が原因になるのではと指摘されています。口呼吸によって雑菌やら異物やらが鼻呼吸よりも格段に大量に吸い込まれる。免疫機構が働きっぱなしになって炎症を起こす。そういう身体の中で炎症という「ボヤ(小火)」が起こっている身体の状況がサイトカインストームのような大火につながりやすい。
「たがしゅう」さんというお医者さんは、サイトカインストームが重症化の原因(きっかけ)だろうと指摘された上で、その発症の原因は患者の恐怖心によるものではないか、という仮説を述べられています。
★たがしゅうブログ
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脳を適度に冷やし、その正常な機能をキープするためにも必要なのが鼻呼吸。より有効なのは深く長い呼吸。
気道に沿った免疫の関所を有効に働かせるために必要なのが鼻呼吸。
慢性的な炎症を起こさないために必要な要素が鼻呼吸。
恐怖心低下など心理面の安定に寄与するのが深い呼吸で鼻呼吸です。
ということで、熱中症を予防し、ウイルス感染の可能性を下げ、万一感染した際の重症化のリスクを少しでも下げる、それらすべての根っこに鼻呼吸というものが横たわっている訳です。
鼻呼吸でも熱中症になるかもしれません。ウイルス感染も止められないかもしれません。それでも本来の自分の能力を十全に働かせる、ということを根っこに置くということはぜひとも実行していただきたいのです。
セルフ&家族整体
くらげ体操と皮下チューニング
津田啓史 拝