マインド、フルでねえっす その3

【マインド、フルでねえっす その3】

ヨガでも筋トレでもスポーツでも、それこそ仕事・商売・ビジネスでも「必死」「死に物狂い」「苦行」に耐えて、勝利・成功・より高い境地を得られるというような構図がいつのまにかメインストリートになっています。本当でしょうかね。

私もできているわけではないんです。ただ特定の団体を離れて、自分で好き勝手に研究できる立場に身を置いて、人間が実は意志で動いているわけでもないのに、自分の意志で動いているかのように脳を操作する面にも出会いました。

なんていうんでしょうね、とにかく手ごたえを作りたがる。自分の意志で動いているという思いこみを外すと、身体にまかせて思考で邪魔しないようにしたらそこそこうまくいくということになります。それを「無心の境地」という具合に額にかけたり神棚に祭り上げたりして、手の届かない高みにおいてしまった。

それでその域に達するには相当な苦労と引き換えでないと達することはできないというような、これまた思い込みに縛られている。結果余分な苦労をしているのではないかと思えて仕方がないんです。あと何年、何十年生きられるかはわかりませんが、結局のところ、この思考や意志が邪魔をしているのを、いかに合理的にどけていくかというのが、死ぬまで追いかけるテーマになりそうです。

例えばヨガとかストレッチとか柔軟体操を例にしましょうか。

例えば身体を横に曲げて、身体の側面、脇腹をストレッチするとしますね。体操の先生から「はい、しっかりと脇腹を伸ばしましょうー」なんて声がかかるとします。この「しっかりと」というところが曲者です。

しっかりと伸ばそうと思ってしまったら、しっかりと伸ばしている手ごたえを作ってしまうのです。しっかりと伸ばした手ごたえを作るもっとも手っ取り早い方法は、実は体幹を固めて伸びないようにしながら伸ばす。縮めながら伸ばすともっとも伸ばした感が出ます。

伸び幅なら身体の力を抜いてくにゃーっと曲げた方が簡単に伸び、深く曲がります。でも手ごたえはありません。しっかり伸ばした感覚があるという場合は、自転車でブレーキを握りながら走っているようなものです。自転車でブレーキを握りながら走る人はいませんが、固めながらストレッチをする人はざらにいます。

マイクロストレッチ(センタリング)では、そういう「思い込み」に浸らないように、柔らかくうごめくもの(空気を少ししか入れない空気枕)などを骨盤や体感に当てて、皮膚感覚にその柔らかさを追っかけてもらいます。人は硬いものは固い部分を使って相手の正体を見極めようとします。げんこつの骨の部分でコツコツ叩くさまなどはまさしくそれです。柔らかいものがあたるとその部位を柔らかくして相手の正体を見極めようとします。だからどんどん柔らかくなります。

手ごたえを捏造する無駄なことをしませんから、身体は柔らかくなります。大げさに動くと余計分からなくなりますから、動きはどんどん小さく力みなくなります。余分な力みが抜けているのが生物本来の状態です。本来のところというのは、全体性が高い状態です。つまりフルネスです。

マイクロストレッチ、慣れるほど無心に近くなる時間が短縮されるようです。余分なことに余分なエネルギーを使いません。瞑想してもなかなかなのに、クッションにお尻を乗せただけであっというまに頭が休まり無心に近くなる、という人も出てきました。

こういう反射を使って、仕事の中の無駄な力みや不要な手ごたえを消せないかと思っていますがまだそれには成功していません。よさそうなものはちょっと見つかっているんですけどね。

 

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