人は意識では動いていない だから

新大阪健康道場は、全国的に新規陽性者数が増えている状況、特に大都市部での医療体制がひっ迫していることなどの状況を受けて、当面はいつまでという期限を定めないで休業ということにさせていただいています。

そのあいた時間で、道場活動再開後によりいいものを提供できるようにたっぷり研究とプログラム化とWEB化の準備を進めています。新しい挑戦ですので試行錯誤です。蛇行しながら少しずつですが進みはじめてきました。こんな状況でもなければ、これだけ大掛かりな見直しはできませんでした。

コロナ明けを楽しみにしていてください。

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「人は意識では動いていない だから」

生活整体と整体生活研究家の津田啓史です。

今日からは数日、コロナ禍という災害を経済の面から考えて、それを「国や政府や政策を生命体と見立ててどうすれば整うのか」というあたりをいろいろと考えてみたいと思います。みなさんが国の行く末を憂いたり、選挙でご自身の権利を行使される際の材料にしていただければとてもうれしいです。

逆に国や政府を整体(本来の整って活発に動ける状態の身体を整体と言います)にするにはどうしたらいいか、ということを通じて「生活で心身を整える」ということの理解が深まり実践しやすくなることもうれしいです。

 

●人は意志で動いていない、だから、、、
ここで書くことの切り口が面白いとのお褒めの言葉を、愛知県のボランティア仲間から年賀状の添え書きで頂きました。ご愛読ありがとうございます。

だいたい筆者はひねくれておりますから、ほかの人が書くような内容なら俺が書く必要ないじゃんなどと思いあがっておりますので、書いててよかったと思える感想でありました。

もともと、人間というもののとらえ方が圧倒的に深い野口晴哉先生の整体を追いかけているからこそそうなってくるということでもあります。野口整体の根本的な考え方には、少し難しい単語ですが「錐体外路系を訓練して活発にする」というものがあります。

人は意識で生命活動をしているのではない。生命維持のための本能的な反射があって、そういう機能でずっと生命をつないできた生命体群の中に、意識を持った人間が生まれてきたわけです。

ところが人間というのは、言葉を持ってしまったので言葉で考え、言葉で伝え、さらに文字まで発明してしまったので面識のない人の考えたことさえ容易に知ることができ、活字まで発明したために考え方やノウハウを何万人と共有できるようになりました。

それらが圧倒的に今の文明社会を下支えしているためでしょうか、どこかで人間は意志によって生活しているのだという誤解が生じています。

いえいえ、人間だけしかしないようなことは圧倒的な脳や意志の影響下にあるでしょうけれども、生命維持、健康に生き切るという点に関してはほかの生物とも共通している生命維持の無意識なしくみや働きによってこそ保たれております。

好みの別嬪さんを見れば鼻の下が伸び、おいしそうなものを見ればよだれがでて消化を助け、胃に入れば胃酸が消化し、腸に至れば蠕動運動で消化吸収しながら食べたものを先へ先へと送り出すというような一連がまったく意志とはかかわりなく営まれます。だから、そういう生命の反射を活元運動として訓練しましょうというのが野口整体の柱の一つです。

また適度な年齢になるとさかりが付いて発情し、愛や恋などと称される「期間限定で特定の異性が根拠なく特上の存在に感じられてしまう」という素晴らしい誤解錯乱能力によって、適度に好みが分散し、多くの個体が伴侶を見つけてまぐわい、結果種の保存に成功するというメカニズムも存在します。

少し話はずれましたが、人間が自分の意志で行動していると思っていますが、その裏側には圧倒的に意識以前にすでに動いている身体があるということです。今回は詳しい説明を省きますが、「明確に意志によって行動した」という自覚のある時でさえ、実は身体が先に動いて、脳は後追いで「身体に命令した」と錯覚しているということもすでに脳科学ではあきらかになっています。

だからせっせと動きましょう。身体を使いましょう。使えば丈夫になって、使わなければ委縮退化する。だから動きましょう。脳の中のこもって動かない理由を考えるより、動けば事態は変わるからまずできることからやりましょう。やったあなたができるようになった次のことをやりましょう。でも雑な動きは身体を損ねるから、適切な行動ができるように感度を上げて適正な感度に磨きながら動きましょう。

これが野口晴哉先生の整体の世界なんですね。

だから、私の書くことは脳からスタートしていません。意志で身体を動かそうとはしていない、という切り口から物事を見ます。精神力でなんとかなるというのをはなから期待しないで、ではどうやれば成り立つのかを自分で人体実験しながら書いています。

うっ、経済の話をしようとしているのに、どんどん遠ざかる。でも仕方がない。脳は「経済」の話と言って書き始めたのですが、身体はいえいえこちらが先だと言っているのだから仕方がない。

まず今日は「人は脳や意志で動いていない」という一般常識とは違うスタートラインに立っているから、津田の書くことは世間にあふれているものとはいささか違う角度のことが書ける、とこういうことをまずお伝えしました。
(つづく)

 

個人の整体を研究すると、国も整体が必要だと思わざるを得ない生活整体研究家

津田啓史