国の「気を付けてね」が 緊急事態宣言!?

新大阪健康道場は、全国的新規陽性者数が増えている状況、特に大都市部での医療体制がひっ迫していることなどの状況を受けて、当面はいつまでという期限を定めないで休業ということにさせていただいています。

そのあいた時間で、道場活動再開後によりいいものを提供できるようにたっぷり研究とプログラム化とWEB化の準備を進めています。新しい挑戦ですので試行錯誤です。蛇行しながら少しずつですが進みはじめてきました。こんな状況でもなければ、これだけ大掛かりな見直しはできませんでした。

コロナ明けを楽しみにしていてください。

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「国の「気を付けてね」が 緊急事態宣言!?」

「人は意志では行動していない」という前提に立つことで景色が変わるし、つじつまが合うこともたくさんあります。

逆に、強烈な違和感が出てきてどうしようもないこともたくさんあります。

今年は多くの方が泣く泣くあきらめた帰省。お正月に一族が楽しく集まれる環境にあるというのはとても楽しいものです。そういう親愛の情があふれる関係を持った人とのひとときが終わり、帰路につく人を送り出そうというときの常套句があります。

「今日はありがとう、じゃあ気を付けてね」

これです。ありがとうは共有した時間の価値を高めることに大いに貢献してくれたことに対する感謝ですからまったく異論はありません。気になってしょうがないのは「気を付けてね」の部分です。

私は「気を付けてね」と指示されました。依頼を受けました。注文されました。発注された以上は納品の義務があります。だって「気を付けてね」と言われた人の多くが「はーい」なんて答えているじゃないですか。

「気を付けてね」「無理です」

という会話はいまだかつて聞いたことがありません。ですが私は違和感が出てしょうがないのです。だって気を付けるっていう注文に対して、どうやったら答えられるかわからないのですから。いや分からなくもないですね、後述します。違和感が大きいのは「はーい」と答えた人のほぼ百パーセントか、その「気を付けてね」の注文に対して、その後の行動を通常とは違う「気を付けるモード」を起動させて行動変容をしているようにはまったく見えないということです。

だから空疎な会話だなと思います。

意志や意識で行動していると思っても、実はほとんど無意識で動いているのが人間です。でも、望むような結果を引き出す行動を積み上げていかなければなりません。そのためにはどういう反射を自分のなかから引き出すかを1勝99敗ぐらいで試行錯誤している筆者としては、ないがしろにはできないのです。

つまり気安く「気を付けてね」と声をかける方もかけられる方も「気をつけようと思ったら気を付けられる」と安易に思っているとしか考えられません。いやいや人間なんてそんなに甘いものではありません。やろうと思ったことが続かず、やっちゃいけないと思っていることが止められない。

尼崎の実家に車で帰省した帰りに母上様より「じゃあ気をつけて帰ってね」と言われて「はい」と返事をした私は、通常よりも安全確率を上げて帰る必要があるのです。であるならば、法定速度80キロをほぼ誰も守っていない高速道路ではあるけれど、基本的に時速80キロは順守する、横風の強い湾岸線を走る時には80キロを下回っても横風でハンドルを取られてもパニくらない速度まで落とす、などの具体的な行動を決め、それを帰宅するまで続けるためにはどうすればいいかまで踏み込んで決めて、そのルールから外れないようにするしくみに自らを当てはめて帰路につかなければならないのです。

私は意識では行動はほとんど制御できない、というところに立っているので、逆に意識の取り扱いに関してはものすごく敏感にならざるを得ないのです。「人は我が意のままにならない」ということをご本尊にしたので、それをどうやって制御するかは人一倍大事にします。

意識で動いているということに疑いのない人は、だからいつでも気をつけようとしたら気を付けられると安易に思い込んでいるから、気楽に「気を付けてね」「はーい」という中身のない会話が平気でできるのではないかと思っています。

だから、「緊急事態宣言」を出すとか出さないとか大騒ぎしていますが、これって国が国民に「めちゃめちゃ気を付けてね宣言」だなと思うのです。だったらその「気を付ける中身は何?」「どうやればそれを実行できるの」というところに知恵と工夫をしまくらないと効果はないじゃないかと思うのです。

そして人というものは、少々気を付けようとしたって、いつも通りの行動をしてしまい、なかなか変われるものではないのです。脳は「いつもと同じこと」をするのがとっても好きなのです。

 

個人の整体を研究すると、国も整体が必要だと思わざるを得ない生活整体研究家

津田啓史