ややこしく考えるのはやめよう

「ややこしく考えるのはやめよう」

科学技術が発達するほど、末端にあるもの、細部にあるものの仕組みというものが解き明かされていきます。

だからといって、その細かいところにこだわってしまい、全体が見えなくなってしまうと本末転倒だと言えます。ややこしく考えるのはやめて平たく考えましょう。

世界最大の運動会を、東京を中心にやるかどうかということが、いまだに結論が出ておりません。全く不思議な話です。一体どういう情報に注目していれば、いまだやるという判断が出てくるのかとても興味があります。

先日、世界の代表が集まってくる運動会なんだから、やるかやらないかというのは、いの一番に世界の状況を見ないとだめでしょうということを書きました。

そして、世界全体の感染者数を見ると、

○2020年一年かけてゆっくりと毎日の感染者数は年末年始まで増え続け、そこでピークアウトをした。つまり減少傾向傾向に転じた。

○2月末ごろまで減少していったが、減少しきる前にそこからまた上昇に転じている。

これが、世界の情勢だと先日書きました。

この世界的第二波の数字を見ておりましたら、再び増加に転じた一日の感染者数は、19日の火曜日に残念ながらコロナ始まって以来の過去最高の数値をたたき出しました。

チャートで見る世界の感染状況 新型コロナウイルス:日本経済新聞

つまり、一年かけてじわじわ増えてきた世界の感染者のグラフの年末年始の山の頂点を、2月から4月末のわずか2ヶ月半で、あっという間に超えてしまったというのが今週の世界の現状です。ヨーロッパなどは減ってきているのは確かですが、アジア圏が爆増しております。特にインド。平たく見たらそういうことでした。

次に開催国の現場というのはどういう感じかと見てみると、主要先進国の中で最もワクチン接種が遅れている国です。

そして、その開催国の第二の都市(実際には人口では横浜にも神奈川にも抜かれておりますが、はい、大阪の話です)では、ほぼ庶民の自粛によって、感染が拡大した諸外国に比べて圧倒的に感染者数は少なく推移していました。

しかしながら、結果的に少なく推移している間に医療を充実強化することは間に合っておらず、ここにいたって重症者の数が受け入れ可能病床を上回り、当分はさらに増えるだろうという状況が、ほぼ規定の路線になっています。

開催都市である首都では、初期には都知事がフリップを出すだけで、これまた庶民の感染予防の行動変容によって、海外に比べて大幅に感染を抑え込んでいました。

ところが、先に急激な感染者増加に陥った大阪の後を追いかけるように、今着々とその日々の数字が増え、さらに今回の感染者増の要因になっていると思われる変異株の割合が着々と増えているという状況です。

つまり、世界合計の一日の感染者数が、過去最大に増えている時に、先進国の中で最もワクチン接種率の低い国の、第二の都市が医療崩壊を起こしていて、秒読みで首都である開催都市もその状況を予想しない方がおかしいような状況になっている。

なおかつ検査と隔離の体制は一年がかりで確立して「いない」という状況の国に、平たく考えて、どう考えたらスポーツエリートたちを喜んで送り込むと考える国があるのでしょうか。あるのかな。

一つ考えるのに、オリンピックを誘致をして「やる、やる」という方向に関しては、おそらく圧倒的に推進するための仕組みというものが確立していたのだろうと思います。決定的な責任者がおらず、みんなでワイワイやっていてもそれで成り立つ仕組みだったのでしょう。

ところが、「止める」「中止する」ということに関しては、もともと全く可能性として考えられておらず、中止するための仕組みというのがないのではないかと考えれば、この理不尽な状態の説明が唯一つきます。

早い目に(といってももう遅すぎますが)「やめましょう、無理です」と言ったら、言い出した人が中止の責任を負わなければなりません。そこで、だれもババを引こうとしていないというのが現状の本当のところなんでしょうか。

なんか、先の大戦の末期を見るようです。

昨日の報道で、5月末をめどに見極めるというような方針が立っているらしいですが。

一日も早く決断して、さっさとコロナ対策と、世の中がこれ以上壊れていかないための対策に集中する方が圧倒的にいいと思います。平たく考えて。

 

生活整体研究家
進化体操と和の体育

津田啓史 拝

和の体育

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