悪いところは見えないが整おうとするところはわかる 2

【悪いところは見えないが整おうとするところはわかる 2】

整体を学ぶ初期の頃から「これはめっちゃ強烈に整った状態だ」ということは身体で感じることができるようになりました。の続きです。

対象に強く意識を向けている状態で、手で触れている部位や、集中して見ている対象が「整うぞ!」という方向に向かっている時、またその瞬間のその身体が極度に整っていると感じられるときは仙骨がぴょんと立つのです。

例えば、オリンピック。今年の開催はどう考えても不合理で、ワクチンが普及して世界中がイスラエルのように鎮静化してから、たくさんの人とマスクを外して大騒ぎできるようになってから開催したらいいのにという意見です。始まるまでは興味はあまりなくても、やはり日本人が活躍し始めると、結構テレビの前で正座して見ております。

それで、日本人にかかわらず、金メダル銀メダルを取るような競技者のパフォーマンスというのは、その一瞬の凄まじいまでの高度なバランス!のような場面が訪れると、正座したまま瞬間的に仙骨がぴょんと立つので、正座しながら身体が軽く飛び上がるような感じになります。

それは瞬間的な反射の場合で、整体中だともうすこし穏やかです。指が数ミリほど「ここしかない」という一点に近づくと、じわっと仙骨が立ってきて、通り過ぎたり外れたりするとそれが抜けていく。感度を上げているときはやはりぴょんと立つこともあります。

頭脳という場所が知性の総本山なら、骨盤や下腹という辺は本能の宗家です。その骨盤、仙椎、仙骨のあたりを「八分目から九分目程度整いかけている」というモードにします。次に手の触れているところに集中していくと、私の身体そのものが「もうちょっとで、それこそ『全集中』できるのに!」というところですから、手を触れている対象の部位の『全集中』できている感覚をすくい取って、自分の集中を全うさせるというような共鳴現象を使って、感知しているのではないかと思います。

仙骨の反射というのは、時間的な感覚でいうと瞬間的なものをキャッチする感覚が強いですが、もう少し穏やかに良い方向に向かっている傾向か、遠ざかってしまうような傾向かというあたりになると、今度は「呼吸の変化」というものを物差しにして良否を判定に使います。整う時には深くなる、乱れるときには浅くなるという変化です。

つまり私の整体の施術や、整体的な体操というのは、この仙骨に力が集約されてくるとか、呼吸が自然に深くなるということをガイドラインにして、全体のまとまりをつけていくという方向のものを常に追いかけています。

なので、新大阪健康道場のメールマガジンで紹介している「呼吸器がんばれ、猫背解消体操」というのも、その息が深くなっていく感覚と腰がだんだん起きていくという感覚をベースにして、自分の中にある自力で整っていく力を引き出そうという考えで設計されています。(つづく)

生活整体研究家
進化体操と和の体育

津田啓史 拝