DaiGo氏のホームレス発言を身体から考える
【DaiGo氏のホームレス発言を身体から考える】
政治だろうと福祉だろうと、根本のところで「身体」=生身の人間のありようを離れたらありえないと考えます。「身体がこういう仕組みや法則、ルールに沿って動いた方がナチュラルで合理的で効率的で故障が少ない」というものが見えてきたので、社会のことをそういった身体を見るようにして考えたらどうなるか、和の体育の視点でDaiGo氏の発言を考えてみたいと思います。
DaiGo氏の発言というのは下記のようなもの。
「僕は生活保護の人たちにお金を払うために税金を納めているんじゃないからね。生活保護の人が生きていても僕は別に得しないけど、猫が生きてれば僕は得なんで。猫が道端で伸びてたら可愛いなぁと思うけど、ホームレスのおっさんが伸びてると『なんでこいつ我が物顔でダンボールひいて寝てるんだろな』と思うもんね」
「自分にとって必要のない命は僕軽いんで。ホームレスの命はどうでもいいんで」
「みんな思わない?どちらかっていうとホームレスっていない方が良くない?言っちゃ悪いけど。邪魔だしさ、プラスにならないしさ、臭いしさ」
この発言に対して「人権」的な角度からはすでに散々批判をされていると思います。津田啓史としては、ここに「身体」とか「生命」など和の体育の視点を入れると景色がどうなるかということを考えてみたいと思います。
こういう発言ができる前提は何かと考えると、自分は絶対に弱者にはならないという思い込みがあると思います。
強烈に経済的な強みがあり、また身体も不自由なところがないのでしょう。
だから自分は絶対に生活保護を受けるような状況にはならない、まかり間違ってもホームレスになるような状況はありえない、とどこかで確信していなければこういう発言はできないと思います。
今だけを見ていると、順調な方はそういう考えが支配的になってしまうのかもしれない。
ただ人間というのは、確か25歳で最後の骨格が完成してそれ以上成長しなくなり、後は適当な時期に死ぬように古びていき、壊れていくようにできております。
ほとんどの生き物は、世代交代をして新しい環境に適応する子孫によって種を存続させようとする戦略をとっておりますから、先に生まれたものは死なないと困る。ですから、整体的に身体を見ると、「私は絶対に死ぬ、ただしそれがいつかは分からない」ということを前提にして生きることを考えるというのが基本にあります。
そこを認めていくと、できるだけ全力発揮して毎日を送り、いつが最後になってもいいように快適に生きていくにはどうしたらいいか、に注力して生きるのがいいよねということにつながるわけです。
でもいくら気をつけていたとしても、死なないまでも病気になったり、怪我をしたり、深刻な障害を持ってしまうという可能性は常にあります。気を付けていても、避けられない事故や災害の可能性もあります。
年齢が進むほど、人のお世話にならないと生きていけない状況になる可能性はどんどん高まります。そこだって勘定に入れておかないといけない。
少し前に災害救援仲間の神奈川の友人が、ホームレスの人を福祉につなげて、何とか生きていけるようにする活動をしているということを書きました。話を聞いていくと、どんな方もなりたくてホームレスになっているわけではない。突然解雇されたり、突然給料を踏み倒されたり、突然職場の寮を追い出されたりということが起こるわけです。
あっけに取られながら、なんとかしようとしているうちに、あっという間に携帯が止まり、所持金が底をつくというような状況に行ってしまう。そういう状況が自分に対しても起こり得る、ということを前提にして人生設計をした方が良いと思うのです。
そう考えれば、自分が元気に動ける間に、ホームレスの人が生み出されなくなるような世の中になるように、少しでも後押しをしていく方が回り回って自分のためだということになります。
何かの原因で、生活していくことが困難になった時、安心して生活保護や福祉のサービスによってちゃんと生きていける、快適な生活が維持できるような制度がちゃんと成立する方向に、自分が元気で働ける間に少しでも後押ししていく方が、回り回って自分がそうなったときの安心につながる、と考えます。違いますかね?
その考え方は基本的に反対される方は少ないと思いますが、予想される反論は「財源をどうするんだ」ということに尽きると思います。
そこにあるのは、政府や行政の様々なサービスというのは、全て国民の税金によって賄われており、また賄われるべきものである、という考え方です。(つづく)
生活整体研究家
進化体操と和の体育
津田啓史 拝
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