(56)予定通りにはいかない
4月入学に向けて一年準備してきたはずなのに、その4月が近づくほど不安?というのかそういう状況になってきてしまったのですね。
文中にときどき出てきますアルバイト先の海鮮居酒屋さん。ここはマスター、ママ、板前さんにバイト生一同、ほんとに仲が良くて気持ちよく働ける職場でした。
学校にもろくにいかない、単位も落としまくっているような先輩が、そこでは「えー、アルバイトがそこまで気を配るの?」とびっくりさせられるような働きぶりを見せてくださいます。仕事ってそういうものなんや、バイトといえども自分で考えてここまでやるんや、なんてことを痛感させてくれる面もありました。
毎年3月になるとバイト生で卒業するメンバーの追い出しコンパというものをやります。大学生活の4年間で(私は5年でしたけど)最も号泣するのが海鮮居酒屋(「ぎおん」という名前でした )ぎおんの追い出しコンパだというのがそこで働くすべてのバイト生共通認識だったと思います。
40代のマスターとママと板前さんと、バイト生十数名が肩を組んで輪になって武田鉄矢(海援隊)の贈る言葉を号泣しながら歌うという、まあ青春ドラマでもここまで泣かないやろうという、それぐらい気持ちのつながりを感じるバイト先だったのです。
ちなみに、ここのバイト生が海で行方不明になるという事件が起こった時、マスターは数百万円を私財から提供して捜索費用に費やすということなどもされました。そんな職場だったのです。
私のヨガ修行とバイト先の話が実は関係してくるので、ご辛抱ください。
そのとっても仲良しで信頼関係も強いバイト先の、板前さんが私の卒業の3月に同じくお店を円満退職して、ご自分のお店をやるということになっていたのです。その板前さんもバイト生から兄貴のように慕われている方だったので、新しい店もアルバイトは、ぎおんのメンバーからやりくりしてなんとかしようということになっていました。
ところが、進学して研究室が忙しくなりそうでバイトを大幅に減らさないといけないメンバーが出てきたり、そもそもヨガの修行資金を貯めるために、たっぷりと日数でていたバイト頭(がしら)の自分が辞めることとかを計算していくと、ぎおんだけでもバイトが回らず、新しいお店にメンバーを回すことなど到底難しそうだということがだんだんわかってきました。