高速道路豪雪災害 スノーモービルボランティアが活躍していたお話しと、、

【高速道路豪雪災害 スノーモービルボランティアが活躍していたお話しと、、】

●スノーモービルボランティアの活躍
高速道路大雪災害についてその後を少し。
(下記文中の …続きを読む をclick!)

高速道路・大雪閉じ込められという災害から1

高速道路・大雪閉じ込められという災害から2

先週に書いた「小型除雪機を軽トラに乗せて除雪に慣れた消防団を現地へプラン」を紹介しました。これは災害救援活動のS先輩のアイデアでした。

そこに「スキー場からスノーモービルも連れてけば」と書いたのは、書きながらの私の思いつきでしたが、実はそれは現場で実現していたというお話です。

これまた災害救援活動の大先輩のKさんのFacebookへの投稿で見たのですが、本当にスノーモービルボランティアがあの現場活躍されていたという新潟日報の新聞記事が紹介されていました。

駆けつけたのはスノーモービル店のオーナーでその道のプロの高橋盛行さんと、その店のお客さんで林映寿さんというお坊さん。実はお二人は、4月にスノーモービルやあらゆる悪路に出撃できる全地形対応車などを使って災害救援をする「オフロードビークル協会」というのを設立したメンバーでした。

立ち往生も二日目となり「これはもう出動するべき災害だ」と判断したお二人は、スノーモービルと全地形対応車で現地へ。自衛隊と直談判して高速道路上へ。

高速道路上は胸まで新雪がつもる状況で、徒歩とそりで救援活動を行う自衛隊も苦戦中。高橋さんらは車両を使って、圧雪して閉じ込められた車と車の間に道を作り、そこを自衛隊が前進して物資を届けていく。

前に進むほど状況は悪くなり、中には遭難、死を覚悟した運転手さんもいたということです。お二人は夜を徹して道を作る作業を続け、自衛隊の方は物資を届け続けたそうです。

 

●ボランティア活動の背景の問題
さて、この高橋さんと林さんのお二人はボランティアです。自分の意志で赴いたとはいえ、人命救助に近い活動をされていますが、たぶん公的にはどこからもお金は出ないでしょうね。団体設立の際に少しぐらいは寄付を受けているかもしれませんが、あったとしてもそれも善意の市民のものでしょう。公的なものではありません。

自衛隊のみなさんをおとしめる意図はまったくありませんが、自衛隊さんは職務として災害派遣されたわけですから給与は払われるし、装備は支給されますし、燃料だって当然配給されるでしょう。当たり前です。公務員が公務で派遣されているのですから。(でもとってもとっても頼もしくありがたいとも思っています)

高橋さんと林さんの燃料は、もしかしたら現地で「こっそり」支給されたかもしれませんが、それは現場の隊長あたりの見て見ぬふり的こっそり的な判断の結果です。

ちなみにもしも消防団員が出動された場合は、みなし公務員という制度に乗っかっているので、一日の出動に7000円の手当が払われます。(ほかに年間数万円が基本的に支給されています)それはすでにそういう仕組みがあるからです。

でもボランティアが、どんなに画期的な活動をしたとしても現行の日本の制度ではびた一文出ません。そういう制度がないからです。

私はほとんど現地で活動はできていませんが、名前ばかりの理事を務めている「災害救援レスキューアシスト」では、千葉県の鴨川市と協定を結んでいます。

その結果として、もしも鴨川市で今後災害が起こった時には、災害救援ボランティアの活動のベース、宿泊のベースになるような施設を無償でお借りできることになっています。このレベルの話でも災害ボランティアとしては過去の事例からいうと、超画期的なことなのです。

 

●結局は金や!
海外の進んだ国では、災害が起こると大きな救援団体にボランティア登録した人が現地入りします。それらの人には有給があたえられ、かつ交通費とか活動費も支給されるような仕組みになっているそうです。

何年か前に国土交通大臣が災害時に「ボランティアが足りない」とかほざいていて、こいつは本格的なバカかと思ったことがあります。国民の生命財産を守るために政府や行政は存在します。それは、国民等しく健康で文化的な生活を送れるようにすると憲法でも明示されています。だから本来国がやらないといけないのです。

国会議員と大臣の給料を受け取ってぬくぬくとしているやつが、なんで国民の有志に自費と時間と労力を出して当然などという浅い認識なのでしょう。

というので私は災害救援のささやかな経験から、行政や政府や議員の方というのは、現場の実態というのを恐ろしいほどわかっていない面があるということを実感します。

だからコロナ禍での医療機関の現場の状況も、たぶん恐ろしく誤解無理解に満ちているのだろうと想像します。少しずつでも改善していってほしい。そのためにはそういう現場の疲弊や大変さ、制度がないことによっておこる不合理や理不尽をキャッチできる人をちゃんと議員にするようなことを国民がしないといけないということなんですけどね。

それで、一気に話が飛びますが、結局はお金の問題なんです。お金がすべてではないのですが、今の社会の制度はお金の移動によって人や労力や資源やモノやサービスが動くようになっています。だからお金があればもっともっとできることは増えます。

お金がないことで、生命や生活を絶たれる方もあります。だから健康で生き生きした生活をみなさんが送れるようにという「生活整体普及運動」を真剣に考えるほど、まずはお金・経済・税金と行政などの仕組みを考えないといけなくなってきてしまいました。そんなことで、今後、そういったお話しも週に一回ぐらいは書きますので、ぜひお読みください。

 

今の社会ではお金と生命が密接に結びついているので
経済のことも考える「生活整体研究家」

津田啓史 拝