笑顔の研究 3

新大阪健康道場は、大阪府の緊急事態宣言を受けて、現在休業中です。もうそろそろ再開できそうだというので、心身の準備をしているところです。

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「笑顔の研究 3 丹田はシンプルに身体の真ん中」

●場所を知っても使えない丹田
丹田というものが東洋医学や武術武道で言われます。

ちなみに私がヨガ時代にならった丹田の定義というのは

「おへそとその真裏にある腰椎3番、そして恥骨の3点を結んだ三角形の重心」

というものでした。まあ定義としてもっともらしいけど、だからなんやねんという感じですかね。住所は分かったけど、それだけというか。そこをどう使ったらいいのかという情報とくっついていないし、せいぜい下腹に力を入れてみるだけ。

それだと実際には「下腹部の筋肉群」だから丹田の詳しい住所なんかいらんやん、ということです。

それで、解剖学の本を読んでいたら「足の長さは平均して身長の53%」という記述がありました。はてさて、この53%というのが日本人の平均なのか西洋の教科書の翻訳なのかまでは分かりません。

要するに「身体のほぼ半分は足だ」ということです。ということで、その足の骨の上端を横切る線を仮に書くと、それは下腹を通ります。

正中線という言葉があります。身体を左右対称になる線で切ったその線のことです。鼻の頭とおへそを結んだ線ですね。

正中線と足の骨の上端を結んだ線は、それこそ下腹の丹田と呼ばれる当たりで交差します。だったら身体を前後均等に切り分ける「前面と後面」にスライスする線でもういっちょ切ったら、これまた下腹の交差線の内部に三線の立体交差点ができます。

要するに、丹田を神秘のチャクラみたいにややこしいとらえ方しつつ、その使い方は少しもわからないと言うぐらいなら、上下左右前後の三線が交わる文字通りどまんなかやんけと見た方がよほど使い方が分かります。

下腹にあるから下の方のように勘違いしますが、物理学的にはどまんなかなんだから、そこをどまんなかとして使ったらいいやんけ、ということです。そこがちゃんとどまんなかになるような身体の使い方がもっとも自然やんけ、ということです。一目瞭然です。

 

●身体にある三層構造
人体というのは、頭部・上半身・下半身の3つに分かれます。頭部は情報収集で、上半身は消化吸収同化で、下半身が支持バランスと移動です。

その上中下の三分類の視点で顔というものを見ると、口とあごというのは顔の下半身という感じです。目から上は顔の頭部(変な日本語ですが)という感じです。ということはあごと目に挟まれた鼻がある当たりが顔の中心部、胴体部という感じです。

物理的に頭部を上下半分に切ると目の高さが半分になるのですが、顔というエリアで分けると鼻のあたりが真ん中になります。ここではこちらの分類を採用します。

 

●上中下、ばらばらな私の顔
それで、この前回のこの連載に書いたように、私が私の顔を動画で見たら、眉を水平に釣り上げた結果。目が呆けたような奥目になり、口元は締まりなく下に開いて下の歯並びが目立ち、口角はへの字になっていました。

つまり、顔の頭部である目は上に行きすぎで、あごと口は引力に負けたように下がりすぎ。結果全体としては間延びしたばらけた顔だったということです。

マイクロストレッチで「中心にまとまることって素敵!」という感覚が育ってきた私としては、その「上下に分離した間延びしたわが顔」というのは到底許せるものではなかったのであります。
(つづく)

 

生活整体研究家

津田啓史