⑩達人の外見はマネできても
ヨガの指導員時代、太極拳や気功で健康になるわけないと根拠なく思い込んでいたと前回書いて終わりました。
このあたりの感触は今ではずいぶん変わりました。十分やれるとも言えるし、言えないとも言えるし。
人間というのは、男女差はあるにしても、人間だったら基本的に骨・筋肉・臓器の位置も配置も数も同じです。筋肉質とか内臓弱い目とかの差異はあっても、パーツそのもの配置は同じなのです。
なので動作の外見が同じなら、同じ動作をしていると思い込んでいます。でもヨガから始めて整体と古武術的身体操作を学び、進化に沿った動きを30年も研究してくると、外見が同じに見えても、整体や武術の達人名人、長けた方というのは、外見は同じでも、内面も含めて実は全然違う動きをしているととらえた方がよほどいいぐらい違うのです。
それこそ、スマホやパソコンで例えて考えてみてください。外見は同じでも、それを動かしているOSが違えば、処理方法も使えるアプリやソフトも全然変わってくるでしょう。
整体の名人や武術の達人やヨガの達人が体現されていたものを「整体」「武術」「武道」「ヨガ」と呼ぶとすれば、外見を同じにしても、中身は全く追いついていない人、別物だという人がほとんどなんじゃないかなと感じています。
レベルが低いとか下手だというのではないのです。レベルが低いとか下手だというのは、少なくとも同じ山の山頂とふもとの差の話です。スカイツリーに上っているつもりで通天閣に上っているというようなものです。
私のヨガ体験でいえば、難易度の高い「外見」はマネすることができた。見た目の難易度が高そうだから、できるようになったら内的なものとか氣とか、そういった通常では得られないような力とか変化とかが得られるのかなと思ったけれども、そうではなかった。
見た目はものすごく難しそうですし、実際肘と手のひらで逆立ちして、反ってを頭に付けるなんてのは、通常できる人はほとんどいませんから、ああいうポーズができるようになれば超人になれるんだなんて思っていたのです。
しかしながら実際にできてみると、ただその「体操ができるようになっただけの自分」がいただけだったのです。中身がついてこなかったのですね。
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