⑪ヨガのポーズが3000あると言ったって

そんな「ヨガのポーズの外見だけできるようになっても、たいしたことない」みたいな思いが、ふつふつとわいてくるのに並行して、「ストレッチ」というやつがどんどん世の中に紹介されてきたのですね。

ヨガの指導者時代には、

「ヨガにはアサナ（ポーズ＝対位法）が3000種類から4000種類あると言われています。それはあらゆる人にとって扉が開かれているということなのです。どういう人のどういう状況にも応えられるために、それだけのポーズがあるのです」

なんて習ったり言ったりしていたわけです。

ヨガには3000種類あるかもしれませんが、私は100も知らないし、失礼を承知でいえば師匠もご存知のようには見受けられない。

うどん屋でもなんでもいいけれども、本店に行けば300種類のメニューがあって、あらゆる人の好みにあったうどんが食べられますと威張っているようなもので、でもこの支店には10種類ぐらいしかメニューがない。

さいわい「わー、ヨガってすごいんだ」と感動する人の方が多かったようで、「師匠ご自身が3000種類の使い方、提供の仕方に精通されてないんだったら、ただのはったり。本店自慢やんか」と思う私のような考えの人の方が少ないようでした。

そんなことを感じている一方で、目にするのがストレッチというもの。

外見はきわめてヨガに似ています。私はどんどんもやもやしてくるのでした。

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