⑳治癒の階段

ほんの数か所触れただけで、動かなかったところが動くようになったり、取れなかった痛みが取れたりするということは、前記したように私もすくなからず経験しています。

経験していますが、やはり一瞬で治るというような現象は何か不自然だという意見は変わっておりません。

私の中でその矛盾の折り合いはついておりまして、「私が触れてごく短時間で治った、不調や痛みがほぼ消失した」というような事例は、ほぼ「ほとんど治っていたにも関わらず、最後の一線が越えられない状態で足踏みしていた人であろう」と推定しています。

回復や治癒のための回路の10個あるうちの8個か9個まではつなぎ終わっており、あと一つか二つつながりさえすれば、回復したと言っていいぐらいの状況が瞬時に出てくる準備はできていたのだろうということです。

なので、その最後の一つ二つの回路をつないだ私はやっぱりえらいという自慢話にもなるのですが(笑)、その最後の方の回路がつながっていないというだけで、何年も苦しい思いが続いているという人も多いのではないかなというのが私の想像している実態です。

※なかなか回復しない場合は、私が的外れなことをやっている場合と回復までの階段が後1~2段以上あった場合かなと考えています。

上に書いたことは、整体を二十年ほどやった後の今の実感ですが、そんなことはまだ考えたこともなかった30年前の私には、「瞬時に治りました」などと言わない野口整体の治り方に、妙なリアリティを感じていたということは事実です。ここは何か違うと。

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