㊸え、俺が現場監督??
堤防の上に上がってみると、バケツリレーのストップがかかるのは、ドラム缶が満タンになって取り換える時。長時間ストップがかかるのは、軽トラが回収した重油をどこかに運んでドラム缶がない間とわかりました。
テトラポットの上から、波打ち際の列を見ると、昨日区民館で泊り合わせて語り明かし、朝同じトラックの荷台に乗って運ばれてきた「臨時の仲間」達の顔が見えます。その一夜を共にした(笑)仲間たちに向かって
「今なー、重油のドラム缶の取り換え中やから、新しいドラム缶が届くまで当分休みやですわー」
などと声を掛けていたのでした。でもって、
「はい、ドラム缶が到着したので、作業再開になりますねー」
などと叫んでいたのです。すると、まずいことになりました。あとからあとから追加で人が増えた200人のバケツリレーだったので、現場監督というか現場リーダが不在だったのですね。
私がテトラポットの上下見通しが効くところに陣取ったのは、人が余り気味で抜けても迷惑が掛からない状況だったのと、いいかげん重油が重たいので腕がくたびれたからです。様子を見に行くという口実で作業をさぼりたかったのです。
見通しの効くところで情報伝達係のふりをして(笑)、作業をさぼっていたのが、作業に参加している人たちが真ん中で大声を出している私をリーダーか何かと勘違いしている雰囲気がじわじわと押し寄せてきました。
なにかあると、みなの目がテトラポットの真ん中でさぼっている私の方に集まるのです。
「やめてくれ、俺はただの一般ボランティアだって、昨日来たばかりで仕組みも段取りも何にもわかんないの」
と叫びたい思いでした。
ここで思い出されたのが、そこから15年前の六甲山頂大渋滞丸尾君の交通整理買って出た件だったのでした。