(63)もうすぐこの連載は終わりそうです

人体が共通に持っている特性を見きわめて、それを徹底して生かしていく。それが私の生き残り戦略でした。

というようなことを前回も書いています。過去にも何回も書きました。今も書きかけています。書きかけて、そろそろ書くのをやめようと思いました。自然法則に沿う、共通部分を探す。それらの中で活かし方が分かったものを講習してますよ、整体してますよ、というのは私のこだわりの説明でした。そういうこだわりが伝わっていると思いますから、繰り返しは避けます。

そうやってこだわっているうちに、どんどん「この方が身体にとっては自然で、疲れないで壊れないでかつパフォーマンスがいい」というものを増やしていくことができてきました。最近やっている「左右の役割分担尊重方式」などがそれですね。

そうやって「いいもの」ができたからと言ってすぐには広がらないのですね。例えば疲れないで整う筋トレができました。部分的な筋肉を直線的に運動させて、かえってバランスが悪くなっているのが、普通の筋トレの側面です。そう見えるのは「多くの筋肉が連動して動くので、数倍の回数をやれて疲れず、息も詰まらず、身体のバランスがかえって良くなる筋トレ」を見つけることができたからです。

身体にとってはどう考えても正しいものでも、世間の常識と大量に流通しているものからみれば異端です。

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と、ここまで書いてきたところで、この連載ですがそろそろ終わりになりそうです。研究が急展開しました。進化体操の成り立ちを書いてる時間を実際の研究に振り向けないといけなくなってきたのです。

人体に共通する自然法則、現象、反射などを追かけてきました。かなり強烈にいい線いっていると思います。

●進化に沿って背骨で動く
●自意識を低下させて、無意識反射を活性化させる
●思い込みをはずして、身体の仕組みに沿って動く
●身体の仕組み、例えば左右で違う役割に沿って動く

などですね。

「だれがやってもそうなる」ということをまとめてきて、これは心からお勧めできる身体理論になってきたのです。そうするとたいへん困ったことがでてきました。誰がやってもそうなる、ということを割り出したのは、主として私自身の人体実験です。

結果として、最初は柔軟体操だけだったのが、三か月の間に筋トレも進化体操基本形も、武術やスポーツや介護まで共通の左右役割分担尊重方式で変わったのです。そうすると、これは世の中の多くの方に発信して乗り換えてもらった方がいいぞ、という思いが日に日に高まります。

そうすると、実は無視できない困ったことが浮上してきたのです。

進化体操物語

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