※身体にとって間違いのないスタートラインにつくという意味です。
新大阪健康道場で研究しているのは、人間本来の能力の引き出し方です。もともとあるものをまず引き出す。それが整体だと考えています。
体力や学力や柔軟性を「加える」「足す」という発想ではありません。まず引き出してバランスよくして整える。負荷をかけるならそれからだ、という順で物事に取り組むことを考えています。
ここ数週間は、視野や視界を狭くする工夫でとんでもなく能力が引き出されてくることが分かってきて集中的に研究しています。
人の動作や行動というのは、頭の命令の実行よりも圧倒的に外からの情報に対しての反射です。梅干しを見るからつばが出る。イケメンや美人が通り過ぎるとうっとりする?!というように動作の前に情報があります。
日常の動作、スポーツのフォーム、武術の動き、仕事の取り組み方、どれもこれも前提にある情報があって、その情報の受け取り方があって、結果動作や行動につながって表現されます。アウトプットですね。
アウトプットを良くすると考えたら、どうアウトプットするかを考えるよりも、情報のインプットの質を高める工夫をする方が自然だねということを言っています。そういう流れの中で注目すべきは「視覚」です。人間は目に頼りすぎています。目からの情報で行動を決め過ぎているのかもしれません。またその目からの情報が多すぎることで、かえってインプットされているのに使わないで捨てる情報さえ多すぎるのではという予測が立ちます。
工夫したアイマスクを使って視覚視野を制限しながら、進化体操やとろける整体を練習してます。体操や整体のみならず、遠慮がちでしゃべる性格の人が明瞭にご自分の考えをいうようになっていました。対人関係が苦手だったはずの人が、実に楽しそうに話ができるようになっていました。効果は多方面に及びます。
整体の稽古では、「自分の身体が今何をやろうとしているのか、何をやっているのかというのが明瞭に感じ取れます」という感想を頂きました。これってすごい感想なんです。これを体感できるまでには、かなり地味な練習を積み重ねないと出てこない感想です。
これは裏返すと、視覚制限をしていないときは、自分が何をしようとしているのか、実際に何をしているのかがけっこういい加減な情報としてしか取れていない、ということです。これではなかなかうまくなることができません。
全力発揮しながら楽々悠々とすごす、というのが整体の創始者野口晴哉先生が説かれた世界です。ようするに生き方の問題です。生き方は毎日の過ごし方の積み重ねで、日々は行動の積み重ねで、行動は動作の組み合わさったものです。
瞬間瞬間の情報の受け入れ方を変えることが、動作を変え、発想と行動を変えます。そのあたりを集中的にやったらどうなるか、というのが昨日まで行われた徳島県神山町での合宿で試みているはずのことです。この原稿は先週の木曜日に書いているので、実際にどうだったかというのは分かりません。
※日曜日に追記。集中すると違いました。心からお勧めできます。
ぜんぜんうまくいかなかったかもしれません。ですが、それで見切りをつけることはありません。実用に足るところまで研究はやめないつもりです。それぐらい価値のある発見だと思っています。
【今後の予定】
視覚制限による通芯作用。(背骨につながって全身で動けるようになる作用)と手足そのほかの通芯点からの通芯作用。まだまだ掘り下げますよ。
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