ツボ探し 遠藤先生の100分の1作戦
【ツボ探し 遠藤先生の100分の1作戦】
遠藤先生のご本を読み、「1万人の人に心を込めて整体をしていけば、経絡が見えるようになるかも作戦」は成就しなかった私でした。(実らない作戦など数知れず山盛りやっていますので別に落ち込むこともありません)
話は変わりますが、道場で「ミニ図書館」をやっています。本棚においている本を、貸出ノートに記入すればどなたでも借りることができます。でも一応、2~3週間で返せる人ということにはなっています。多くの方が利用されてそれはとても喜んでいます。本だって読まれてこそこの世に生まれた甲斐があるってもんです。
本には二種類あって、本当にいいから置いているものと、家に持って帰るほどもないからなんとなく置いている本です。やはり本当にいい本ほど借りていかれます。そして一定数返ってこない。もともと蔵書目録など作っていないのでどの本がなくなったのかはすべてはわかりません。ただし、野口晴哉先生の「体運動の構造1」と「体癖1」は、使いますので持って帰ったままになっている人でこれを読んだ人は至急ご連絡の上、ご返却願います。
そんな「見当たらない本」の中に遠藤先生の今から書く話の本も入っています。いい本だから返ってこないんですね。だからうろ覚えの記憶で書きます。実際とは少し異なるかもしれません。
タオ指圧のツボを押さえるときの触感の話でした。増永先生のご本の内容も併せて書くなら「ツボというのは決まった場所があるのを機械的に押さえればいいというものではない、いい押さえ方をすると米粒のようなものが現れるのだ」ということで整体ととても近いとらえ方です。
遠藤先生の本でたまげたのがその先です。指先がその米粒のようなツボをとらえることができたら、今度はその米粒大の円の中を10個の円の集合体としてとらえて、その10個の中の一番響く点を押さえる、とらえる、というようなことが書いてあります。ご丁寧に手書きのレンコンのようなイラストまで添えてあった(と記憶しています)。
米粒を直径2ミリの点としてとらえていたら、次には0.2ミリの精度でとらえよということです。もうここまでいいかげんびっくりですが記述はさらに続きました。10個の点の中のベストの一点がとらえられたら、さらにその1点をレンコンのように10か所に分けて、ベストの一点を押さえよ、とこんなことをさらりと書いておられます。
0.02ミリの世界のお話です。でもそれを読んだ私は、まったく1ミリも「はったり」だとは思わなかったのです。だってこんなこと「実際にやった人以外が思いつく話ではない」と感じたからです。はったりだったらもう少しそれっぽい文言に変えます。「愛と感謝の波長で宇宙を感じるのです」みたいなことを言っておけば、みなさんそれぞれの妄想でやってくれますから、具体的につっこまれることは少ない。
整体というものが「特別な能力を後付け」するのではなく「もともと備わっているものを使えるようにする」という立ち位置だと先日書きました。だからその訓練は「探す」という要素が大事だよ、ということも書きました。
この「レンコンの粒」なんていうのはまさにそれです。あなたの指のベストの一点で押しなさいと言われても漠然としてしまいますが、あなたがとらえたツボの中で最も効果的な部分を10等分の中から探せ、というのなら少なくとも毎回探していけ、それそのものが訓練になります。
ちなみに2ミリの百分の一の一点は私はまだ使えません。ですが、5ミリの10分の1の一点、というものは実用として使えるようにはなっています。
それが今日の動画です。
【本日の動画】物理的ではない「伝わる力」。伝わる一点を探すという切り口から
自分に勝手につくって「これぐらいでよし」としているゴールを、はるか向こうに吹き飛ばしてくださるのが先達である達人名人のみなさんです。
目の前のゴールにさえたどり着くことの少ない筆者です。ところが遠藤先生によって、「次の次のゴールがふつうですけど」とさらりと設定されてしまうと、結果的に「次のゴールまで行けてしまった」という例ですね。
自分の能力というものも、設定次第でかなりどうにでもなるのかもしれません。ありがたい話です。
進化体操と和の体育
津田啓史(つだひろふみ) 拝