百年ひと昔 最先端は100年前

■■百年ひと昔 最先端は100年前■■

【情熱大陸】

MBSの情熱大陸で感染症医の忽那賢志先生を取り上げられていた。コロナ関係の情報をツイッターで拾っていて、ある人があげられていたグラフの引用をお願いしたら「忽那先生のデータをグラフ化しただけなので、私の方からは何とも」というような展開があり、それで名前を存じ上げた次第。

時々投稿を拝見し、「顔が大きすぎてテレビからはみ出した」みたいなユーモラスな投稿をされていたのでますます記憶に残りました。

というので「情熱大陸」でその健闘されている様を拝見したのであるが、ざっと番組の作りは下記のような感じ。番組HPから引用させていただきました。

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『情熱大陸』
回復者血漿療法 新型コロナウイルスの臨床研究最前線

新型コロナウイルス感染症が日本で拡大してからおよそ半年。現在まで国内の感染者は8万人以上、死者1,500人以上に達するなど、予断を許さない状況が続いている。忽那が勤める国立国際医療研究センターは、国の感染症対策の中核を担ういわば本丸。忽那は、中国・武漢からのチャーター便の帰国者対応や、クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」号の患者受け入れなど、発生直後からコロナ対策の最前線のリーダーとして新型コロナ感染者への治療にあたってきた。

第二波のピークを越え、”Withコロナ”が定着しつつある中で、街には人の往来が戻りつつある。だが、忽那たち医療従事者が危惧するのは、今冬にも来ると思われる第三波だ。

いまだ確かな治療法がなく、ワクチンもない中で忽那が第一波の最中から研究を始めていたのが、コロナ感染から回復した患者から新型コロナウイルスに効く抗体を取り出す「回復者血漿」。日本初の試みとして期待を集めている。9月、倫理委員会の審査が終了し、ようやく臨床研究が始められるようになった。

今回は、忽那たち国立国際医療研究センターの半年を振り返り、「100年に一度の感染症災害」に立ち向かう忽那たちの模索の日々、感染症医の最前線の現場に迫る。

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というので医療従事者の大変さを一部垣間見る番組で、居住まいを正して拝聴したのです。

 

【感染症の日本史】

時を同じくして前々から読もうと思っていた磯田道史先生の「感染症の日本史」を入手。磯田先生はご自分で歴史オタクと広言し、古文書を読んだ件数としてはご自身でたぶん日本一だろうと言われる方です。

そうやってむさぼり読まれたあらゆる古文書から時代時代の人と暮らしを明らかにしていき、映画「武士の家計簿」(半沢直樹の堺雅人さんが主演でしたね、たしか)なんかの原作にもなっています。

なので、日本の歴史の中に登場する感染症の様子や対策などを古文書に記された記録から明らかにしていこうという一冊です。

同書の中の一節を紹介します。

100年前にインフルエンザが世界的に大流行して「スペイン風邪」と呼ばれました。第一次世界大戦を止めようと思うぐらいの、世界的な大流行で日本でも感染が広がりました。

当時17歳の秩父宮様も感染し、生死をさまようところまで重症化。そしてここで一つのことが試みられました。スペイン風邪に感染し、治りかけの兵士の血清を投与するという方法です。治り間際の患者はウイルスを押さえる中和抗体を多く持つ、その回復者血清療法です。時代が時代です。宮様ですから、採取した血清を宮中の賢所で「ご安泰の御祭り」ののち注射したとのことです。それが功を奏したからかどうかというのは分かりませんが、宮様は無事ご回復。

ん、どっかで聞いた話。これって忽那先生の「回復者血漿療法」とおんなじちゃうん?!血清と血漿が違いますが、血液の赤いところが沈殿した上澄みの黄色い部分というのは同じで、凝固成分を含むのが血漿、ほとんどないのが血清。で、忽那先生のは回復した後の人の血漿。ちなみに「ミキティー!」っと奥さんの芸名を叫ぶお笑い芸人の庄司なんとかさんの血漿でした。100年前のは治りかけの軍人さんの血清。

いや別にMBSさんの「日本で初めての試み」というのは新型コロナに対してでしょうから、「日本初やないやんか」などというケチがつけたいわけでは全くない。

そうではなくて、逆にほぼ同じ方法が100年も前からあったということへの驚きです。科学は日進月歩というイメージがありますが、それは成果が出たものが紹介されるからであって、実際のところ一つの研究が実を結ぶまでには、10年20年どころではなく長い時間がかかるのが当たり前なのではないのかな、と認識をしなおしたというお話です。

感染症対策でも、流行してから何年も何年も追いかけて少しずつ実態や対策が分かってくるようなものではないのかな、ということなのです。コロナに回復者の血漿が安全で有効かどうかというのはまだまだこれからの話でしょうし、現時点であまり有効でなければ研究する人がいなくなるだろうし。世の中実らない研究も、省みられない研究も山のようにあるんでしょうね。

でもね、目先のことだけみて「今、儲かることはいい研究、儲からない研究や分野というのは縮小廃止」みたいな世の中はつまんないですね。世の中の「知の厚み」というものは十分にあってほしいと思います。

お金儲けにつながることだけが学問じゃないし、役に立たないと思っていたことが一周回って必須不可欠になる可能性だってあるし。今お金の儲かる研究だって、時代が追い付くまでは役に立たない研究だったわけです。

学問とか研究というようなものはそういうものだろうと思います。時間がかかるのが当たり前。だからコロナワクチンだって、副作用がほぼ皆無、安全、無害、でも効果抜群みたいなものが半年一年でバンバンできてくるなんていう期待はあまり持たない方がいいのではと思います。

まずは口呼吸を止めて舌がちゃんと上あごにつく鼻呼吸。鼻うがいや歯磨きをちゃんとやって、歯周病に代表される炎症というものを身体からできるだけ減らす。そうやって自分の免疫が十全に働くようにということをまずは実行していきませんか、といういつもと同じ結論になるのでございます。

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具体的にどうしようかという指針が、感染の水際対策「百分の一作戦」

●換気してウイルスを薄める 
●最終的に眼鼻口の粘膜にウイルスが付着しないようにする

そして、そこをすり抜けて侵入してきたウイルスに対しては、
鼻からのどにある守衛室と免疫警備員さんたちに活躍してもらうために、質のいい鼻呼吸で免疫機能を十全に働かせる

●鼻うがい
【動画】花粉症軽減も。鼻うがいの実演

 

●あいうべ体操など舌の活性化
【動画】インフルエンザを止めたあいうべ体操

 

●鼻呼吸
【動画】あなたの免疫の仕組みを働かすには脱・口呼吸、鼻呼吸が必須
裏で支えているのが舌の位置(1)

 

【動画】あなたの免疫の仕組みを働かすには脱・口呼吸、鼻呼吸が必須
裏で支えているのが舌の位置(2)

というあたりを参考にしてください。まだご覧になっていない方はどうぞ。

 

整体の目的は整体師がいらない世の中をつくることだから
生活整体研究家

津田啓史 拝