才能・素質を見つけるほんとの「裏技」 その1

【才能・素質を見つけるほんとの「裏技」 その1】

11月は、東住吉高校の芸能文化科1年生身体表現のクラスを持たせていただいているので、ふだん相手にする成人の方々とは違う角度で伝えたいことを整理する貴重なきっかけになっている。

先週の授業でも生徒諸君に講義しながら、なんて俺はいいことを言っているんだろうといたく感動したので、ここに書き記しておくことにする。

芸能文化科という学科であるから、ここに入学した高校生のみなさんは、普通科、理系文系、偏差値による大学の選択、4年生大学、就活、就職というような一般的なコースの選択をしないだろうという方々が非常に多いと推察される。いきおいこちらも「進路」「将来」「素質」「才能」というようなことを考える度合いが高くなる。

さて「大人」「おじさん」「おばさん」から若者に向けての進路のアドバイスとして、「いい成績をとり、レベルの高い大学に行き、いいところに就職できるようにするべし」という現実的?路線と「自分のやりたいこと、好きなことを見つけて夢をかなえるのよ」路線の二つに大別される。

そして私は還暦目前の今日まで、後者の「好きなことをひたすらさせてもらった路線代表」のようなものだと思っていた。確かにそれはその通りであり、履歴書を書いて読んでもらったら、紆余曲折はあるものの、ほぼ「やりたかったこと、やりたいこと」をつないで人生があるというのはまったく嘘ではない。外見(がいけん)は。外見(そとみ)はである。

つまり、ヨガ指導者、整体研究家、身体運動研究家というようなキャリアは、ひたすらやりたいことをやっていたというふうに見える。嘘ではない。その通りである。それを成り立たせてくださった関係各位にはここで深く感謝の意をささげる次第である。

しかし毎週16歳の集団と向き合い、自分の人生を振り返ると違う側面が見えてきた。ヨガの指導者とか整体師というのは、人生を歩むにおいての選択した路線名である。東海道新幹線で東京に行った。ピーチ航空で仙台に行ったというようなものである。これは他人から見ればすこぶるわかりやすく、私もまた他人を東海道新幹線に乗っている人、オレンジフェリーに乗っている人という具合に職業という乗り物の分類で見ている。

たしかにそこは他人に見える。しかしながら、同じボクシングでも接近戦タイプと離れて戦うタイプがあるように職業名は同じでもやり方は人それぞれ。さらに踏みこめばその人がその道を歩いている背景にある「原動力」とでもいうべきものがある。そここそが、その人の素質ではないか、ということに気づいたのである。

そうすると私がやっている「整体」や「身体の使い方の研究」の背景にあるもの、ベースにあるもの、原動力にあたるものは決して「好きでたまらない、やりたい」ではなかったのだ。

 

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津田啓史(ひろふみ)