頑張らないでいい時 その1

『頑張らないでいい時 その1』

●和の体育は「関係性の体育」

連日高校生に向けたお話しを、自分でも感動したために原稿に仕立て直すことをやっていますが、今日もそのパターン。

筆者オリジナルのトレーニングメソッドとして、進化体操・とろける整体・マイクロストレッチ(センタリング)などがありますが、それらを体育として総称するときには「和の体育」という呼称を使っております。

日本の伝統的な武道や日本の整体に気付かせていただいた「ジャパン」の「和」であり、もう一つは「和する」の和、つまり「仲良し」の和です。後者の和の意味を特に重視しているのは、整体や体育の技術を考えるとき、自分の在り方だけを見ていると正解が分からなくなるからです。

何が正しいかという答えは常にほしくなりますが、整体や武術の現場では正しいかどうかというよりも、その時の相手に対しての対処が適切かどうかということが重要です。相手によって変わるのだ、ということです。だから対象との関係性の最適化という意味で「和」の体育です。そのためのからだ育て、感性育てを目指しているわけです。

昨今研究が進んできた「習慣化の技術」「継続の技術」の解説としてお話ししたいことともかかわってくるお話しです。

 

●「頑張らないでもいいよ」への違和感

よく「がんばらないでいいんだよ」という言い回しで人を慰め元気づける一派?がありますが、なんとなくしっくりきません。なんか無責任やなと思うからです。そこで力を抜くと取り換えしがつかない事態が起こってしまうから、やむを得ず緊張緊迫状態を孤独に続けている人に、「がんばらないでいいんだよ」と言って「この人は私を理解してくれている(涙)」みたいなのは嘘くさいなと思います。(といってもケースバイケースですけどね。本当にそれで救われる人はそういってくれる相手が良かった場合)

というふうに頑張らないでいいを批判する文章が続くかと思わせていますが、ここで一転して私も「がんばってはいけない!断じて頑張るべきではない!」と言います。

ただし前提が違います。あなたが踏ん張らないと取り返しがつかない事態が引き起こされるような事態の時であれば、踏ん張るべきです。そうでなく、そういう対象がある世界ではなく、あなた個人がトレーニングやら勉強をやるという際には頑張ってはいけなかったのだということが分かりました。

「はい、毎日頑張って筋トレを続けています」「毎日頑張ってランニングで心肺機能を高めています」「毎日頑張って単語を10個覚えています」というようなケースです。青少年諸君がそういうことを習慣化していたら「おお、頑張っているな」と「優」のハンコを押したくなります。

 

●頑張らないと続かないことというのは

もちろん、そういう「本当はやりたくないんだけど、目標のためには必要だからつらいけど頑張る」ということを決めたら、さくっとそういう習慣が継続するという方は、私にはない素質才能なので、どうぞそれを生かして進められるところまでは突き進まれるのがいいと思います。健闘を祈ります。

しかしながら、私にはそういう才能素質はありません。だから決めても決めても続きません。たとえば今現在習慣化していることに「15分程度のジョギング」や「やや強めの自重筋トレを十数回程度」というものがあります。

ジョギングは「足腰が衰えるのを放置して、出かけるのがおっくうになり、行動が減り、いつしか仕事にも支障がでて引退」というのを避けたいからだし、筋トレは、トレーナーやスポーツ選手も学びに来てもらえているのに、見本も見せられない息が上がってしまう、では仕事にならない、なんてことがあるので、やるとやらないとでは来年再来年が全然違ったものになるということで続けています。

でも、そんなもの必要なかった20代の体力があるのならやっていません。衰えを感じるからやっているのであって、本音を言えばやりたくありませんでした。

結果的に筋トレはもうすぐ6カ月、ジョギングは5カ月になるぐらい続いています。天気や出張などで時間が取れない時もありますが、それでも週に複数回やるということが途絶えてしまうことはないだろうなと漠然と思えるぐらい自然に習慣化しています。

それは最初から欲張らずに、信じられないぐらい短時間、小回数から始めて、じわじわ回数や時間や距離を伸ばしたからうまくいきました。これが最初から「毎日4キロのランニング」「50回の腕立て」では毎日が戦いになり、早晩挫折していたことは確信できます。

事象を解説すると上のようになるのですが、高校生諸君を前に講義する内容をまとめているうちに気づいたのは別の側面でした。和の体育の視点です。

 

【本日の動画】
頑張るとは対極にある「世界最軽量のトレーニング」
マイクロストレッチ(センタリング)のごく簡単なイメージを持ってもらう動画です。

見ただけではきっとそのすごさは分からない。 マイクロストレッチ(センタリング)の例1

 

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津田啓史(ひろふみ)