5-ALA コロナの希望か、ぬか喜びで終わるか その2

「5-ALA コロナの希望か、ぬか喜びで終わるか その2」

●北潔先生の専門はウイルスではないため

今回の発見をされたのは、もともと熱帯の疫病である世界三大感染症のひとつ「マラリア」を研究されている北潔先生でした。

コロナウイルスの遺伝子にもマラリアの原虫にも同じような構造があって、もともとマラリアの研究としてそれを抑制する物質としてこの5-ALAを研究していました。それでマラリアではちゃんと効果があるという結果が出ていて、おいおい、コロナも構造が一緒じゃねーか、試してみるかとなったそうです。

そうすると「熱帯研」の層の厚さで長崎大の強み。他にウイルスに強い共同研究もやっているような先生方がおられる。「おもしろか」「やるたい」と九州弁で相談されたかどうかは知りませんが、とんとんと話は進みました。

 

●コロナ抑制のメカニズム

北潔先生が注目された「ウイルスの抑制」のメカニズムにも少し触れておきます。

新型コロナウイルスの遺伝子配列の中に、グアニンというものが4つ並んだG4構造と呼ばれるものが複数あります。これがマラリアと同じなんですね。ここに「5-ALA」由来の物質が結合すると、ウイルスが増殖できなくなるということなのです。このG4構造に5-ALAが効いてマラリアにも効果がある。

だったら、同じ構造を持つコロナウイルスにも効くのではないかというアイデアが出たわけですね。

それで細胞レベルで実験してみると、確かにウイルスの活動が抑制される。それが昨年の5月でした。(はや!)つまり感染した人に対しての治療効果がありそうだということになったのですね。

 

●予防効果、サイトカインストームの抑制など幅広い効果が!

さらにこの5-ALAが体内に吸収されると「ヘム」と「PPIX」という物質ができます。この物質がコロナウイルスの細胞に取り付くための突起にくっつくと、ウイルスが人の細胞にくっつけなくなる可能性も示されています。

つまり「感染予防」になるわけです。

これだけで終わりません。この「ヘム」が体内にうまれるとそれを分解するための酵素が分泌されます。この分解酵素には「抗炎症作用」があります。コロナが重症化する一因が「サイトカインストーム」といって、免疫が暴走してしまうこと。これを押さえる作用も期待できるらしい。

つまり「サイトカインストームの予防効果」というわけです。

「5-ALA」は納豆や赤ワインの中にも含まれているという人畜無害で、逆に言えばサプリになるような人畜有益な物質です。なので「サプリ」として売られたりしているわけです。それで、もともとの「健康食品的な効果」として「代謝を上げる効果」があるので、これがうまく回ると後遺症からの回復を助けることになるかもしれないのです。

全部がそこそこちゃんとした効果があれば、それこそワクチンどころの話ではないですね。

5-ALAというのは、サプリメント以外にもすでに動物の飼料や農業の肥料にも混ぜるような使われ方をしているということを報道で見ました。これってすごいことですよ。

飼料や肥料に混ぜてもペイするということは、医薬品に比べれば、おっそろしくコストが安いということですからね。

さらに常温で放置していても、一年や二年ではまったく変質もしないということですから、これまたすごい。(つづく)

 

前向きの空想が自然に湧いてくるような心身に保つこと
それも整体です
生活整体研究家
進化体操と和の体育

津田啓史