慢性病の原因の多くは私たちに備わった能力の過剰か疲弊とからむ
【慢性病の原因の多くは私たちに備わった能力の過剰か疲弊とからむ】
外部的な要因・原因を見たらウイルス感染と熱中症というのは別物です。ところが身体そのものに備わっているものをまともに働かせているかという視点に変えると、その二つへの対処は同じだったと言うのが前回のお話しです。
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まともに鼻で呼吸をしましょう、というのがその共通の部分でした。鼻で呼吸するようにできているから、免疫の最初の関門・関所は鼻。熱に弱い脳を冷やすのは鼻呼吸で鼻腔から気化熱を使って脳を冷やすしくみ。
整体から考えるコロナ対策というのはいかに、自分にもともと備わっているものを十全に発揮させるかということです。シンプルな鼻呼吸一つとっても、まともにできている人は非常に少ない。
以前によくサウナやカプセルホテルを宿にして、大部屋で寝ることがありました。その際のいびきをかく人の率のなんと高いこと。いびき自体が口呼吸で起こる現象です。昼間は閉じているつもりでも、寝た後は口から雑菌入り放題、気道は乾燥しまくり、ということです。
人のかかる多くの病気と言われるものも、外的な要因にやられるというよりも、自分に備わっている機能が過剰に作用するか、過剰に働かされた結果疲弊して力を失っているか、という「自分発」のものがとても多いです。
花粉症の涙や鼻水だって異物が入った時の正常な反応が過剰なだけです。リウマチも自己免疫疾患です。自分の免疫が関節や骨を攻撃してしまう。高血圧は直立して生きるために必要な「血圧に上げる力」が過剰な状態。血圧がなければ血液が流れませんからね。頭の上まで血液をもっていったり、足先の血液を心臓まで戻そうとしたら、けっこうポンプの力がいると思いません?ちなみにキリンはその首の高さですごく血圧が高いそうですが、必要があってそうなるわけです。
糖尿病というのは適度な血糖は必要なのに、それが過剰に上がっていきなり下がるという血糖値の幅の問題です。胃潰瘍は食べ物の消化するための胃酸で胃を傷つけている状態。ぜんぶ生きていくために必要な仕組みの「程度が過剰」や「疲弊して低下」した問題です。
コロナウイルスも、それ自体が深刻に身体を攻撃するわけではありません。だから無症状や軽症の人がけっこうな割合でおられる。重症化するときというのは、前に上げたいろいろな疾病のように「身を守るための働きが過剰反応してしまった」ときです。
たとえばサイトカインストームと言われる現象です。サイトカインというのは、炎症がおこったとき、異常が起こったことを他の免疫細胞に伝えにいくために分泌されるたんぱく質で、いくつかの物質の総称です。耳にしたことがある「インターフェロン」なんていうのもサイトカインの一つ。インターフェロンと聞くと、なんか「正義の味方」という感じですね。
ところが炎症が大きくなるとサイトカインも大量になり、結果として自己免疫疾患のような状態を起こしてしまう。コロナの場合には血栓につながっているのではという説もあります。がんで急激に症状が悪くなって胸水や腹水や浮腫が起こるとのこのサイトカインストームがかかわっているという説もあります。
このあたりのメカニズムはお医者さんの範疇ですから、表現が不正確なものや最新の研究では否定されているものも含まれているかもしれません。そこは本職の方の言説をお調べください。
個々の症状や症状別のメカニズムはお医者さんの仕事。ただここで共通する「過剰に反応してしまう」という作用を何とかすることができれば、新型コロナのみならず、さまざまな慢性病そのほかにも共通の健全な身体機能を取り戻すことができる、ということで書いています。
続きは次回で。
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