人は身体感覚の在庫で対象を理解する

【人は身体感覚の在庫で対象を理解する】

【はじめに】

今週木曜日金曜日の四国松山、岡山県笠岡講習のみなさん。週末開講の「整体総合基礎講座」受講のみなさん、3か月かけて「すべての講座共通 皮下チュー&くらげ体操 基礎習得必須プログラム」ができましたら、なんと基礎より簡単かもしれない応用プログラムができました。習慣化の技術をせっせと深めていったら、「これ以上簡単で続けやすい体操は考えられない」というものがバンバン出来上がりました。

月火水でそれらにつながる解説を少々。

先週のブログでは、認知症のおばちゃんがかなり復活したぞとか、難病で身体が動かなくなると言われている赤ちゃんが元気に足をぴょーんと伸ばしている動画を送ってもらったなど、皮下チューニングの効果の上がった例を紹介させてもらいました。

認知症の回復のメカニズムを探る(1)

情報を変えれば行動は変えられる

ドーマン法のように他者によって疑似運動経験を長時間やることで脳の反射が変わり運動機能や知的活動が復活することができるなら、皮ふという感覚器のかたまりみたいな部分に疑似運動情報を作ることで、運動機能が回復したのではないかという仮説を紹介しました。

 

【あらゆる不調や改善の希望をとりあえず運動に集約してみる】

みなさんが頭痛や肩こりに悩まれているとか、スポーツに生かしたいとか介護に生かしたいとかさまざまなニーズでこれを読まれているとして、めちゃめちゃ強引にまとめれば、運動に集約することができるわけです。

頭痛や肩こりだとしたら、肩が凝ったり頭痛に化けたりするような身体の無理な使い方があるわけですから、それを起こらない使い方に徐々にでも置き換えていく。介護なら、自分が疲れず相手もリラックスできて快適に動ける動きに置き換えていけばいいわけです。

それで、自分で自分を変えようとしてもなかなか変わらないということが前提にあります。変えようとしても変わらないので、変わるようにしようという提案です。

 

【人は身体感覚の在庫で対象を理解する】

運動・動作などは先に情報があります。おいしそうなにおいがすれば腹が減るし、まぶしければ目を細める。寒ければ震えるし、別嬪さんが笑顔をこちらに向けたら鼻の下が伸びます。

そこには「鼻の下を伸ばそう」という意志はなく、知らず知らずに伸びてしまう。そういう「そうなってしまうもの」を探して効果的に組み合わせれば、望む方向に少しずつでも自分を近づけていくことができます。

情報があって行動があるのですが、情報を対象と置き変えてもう少し説明します。対象を情報に置き換えて「認識する」「理解する」というステップで、人というのは対象と同質のものを自分の中から取り出して理解します。置き換えると言ってもいいかもしれません。人間は、対象を自分の身体感覚を引き出して理解するのです。

机の天板というのは平たい。その平たいということを理解したい私は手のひらを平たくして天板の上を滑らせます。天板が硬いということを調べたい時は、拳骨をつくって指の曲がった関節の硬い骨のところでコンコンとやります。ペンか何かを目の前に出して「先のとがった感じ」を注目すると、多くの人は自分の中のとがったところ、鼻先に気を集めてその「とんがり感」を作って対象を理解します。

丸い掛け時計を見ると、顔が柔和に丸くなっていますし、電柱の「そびえたつ感じ」を感じている時には、背骨に気を集めてそれを自分の中に作っています。道場の窓から向かいのビルのこちらに向いている面を見ている時は目を少し大きめに開いて眉毛を上げて、顔に「平たい感じ」を作るのですが、そのビルの見えない部分までの奥行きを想像すると、肋骨が作っている四角いエリアをごつごつと感じて、向かいのビルの質感を作っていました。

 

【脳は誤解でもいいから理解したがる】

人間の脳というのは、理解していない状況が不安で大っ嫌いなのですね。だから、自分の持っている身体感覚を縦横無尽に使って対象を「こういう質感だよね」と理解しようとします。時にこの感覚は間違っていることでも、自分が受け入れやすい理解の形を示されることで人に騙されることにもつながる感覚ですが、根底に理解できていない状態を嫌うという脳の性質があるのですね。

おい、運動の改善にどうつなげるんだ、早く説明しろという方は、手っ取り早く背骨を柔らかくする方法を動画で紹介していますので、先にそちらをご覧ください。

 

【本日の動画】赤ちゃんのようなくにゃくにゃな背骨を取り戻す びっくりするぐらい簡単な方法

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くらげ体操と皮下チューニング

津田啓史(ひろふみ)