首都感染という予言?の書 その2
【首都感染という予言?の書 その2】
2020年から2021年に起こったことは、予測不可能なことが起こったのではなく、専門家の中では予測範囲内だったことが、予想通りに起こっていたのだなという印象を強く持ったということからの続きです。
だから、そういう知見を盛り込んで考えていたら、日本の偉い人が、もっと違った一年半を選択して実行できていた可能性があります。
ただし条件があります。単に学会の上の方にいるとかそういうことでなく、本当にその分野の「現場感覚」も含めた総合的な知見を持った優れた人の複数の意見を集めるという条件です。そういう人をちゃんと探し出してくるというのが大変なのかもしれませんが。でも国が本気出したらそれぐらいできるでしょう。
このブログの中で繰り返し言いますが、「現場に精通している人」の意見を聞こうというお話です。そして、感染症だけでなくて経済や暮らしの、これまた「現場に精通した人」。それら多面的な複数の専門家の意見を総合して、無難?適格?な落としどころが見えるような能力の人も必要で、そういった人が現実的に総合的に判断する、ということも合わせる必要があるでしょう。
だいたい現場に精通する人になぜそうやるのか、という説明を聞けば、おおむね納得して安心して任せられます。
話は唐突かもしれませんが、法隆寺の宮大工であった故・西岡常一棟梁の本などで「宮大工の口伝として、建物の北側には山の北側の日当たりの悪いところで育った木を使い、南側には山の日当たりのいいところで伸びた木を使う」「その配置だと耐久力がちがうのじゃ」とか「最近の建築は設計図通りに機械で切るから家をくみ上げてから歪んでくる。5年10年のちに木が沈んでくるのを見越して切ってくみ上げねばならぬのじゃ」などというお話を伺うと、「おおお、さすが現場力が違う」と感動できるし、至極納得いくのです。
そういう観点からすれば、昨年の3月いきなり明後日から全国一律一斉休校とか、ガーゼで作った小型のスケスケマスクを時間をかけて配ることも、あまりそういう「現場に精通した人の意見を精査して採用」というステップを経た感じがしません。
残念です。国民の一人として、その政策判断に納得させてほしいのです。
逆に、複数の、現場に精通した専門家に客観的な意見を聞いて集約すれば、一年後のオリンピックが安全に開催できるという結論が出されていた可能性があったのかな、と思っています。
一年前に当時の安倍首相が「日本の技術力はまだまだ高い、国産のワクチンは間に合います」という意見に飛びついて一年後の開催を決めたという報道を読みました。真偽はわかりません。ただし、2021年の7月初めには、最低限でも国内人口の6割、7割に安全で効果的なワクチンを打ち終わっている状態を作るには、いつまでにどうなっている必要があるかということを実務能力のある人が考えれば、簡単に「無理」という結論だったのではないでしょうか。
一億人にワクチン接種をするのに何カ月かかる、その前にワクチンの安全性と効果を確かめるために何か月かかる、というあたりを専門家がまともに計算したら「数カ月のうちに最高のワクチンができ上っていないと無理」だったと、その後の一年を見てきた私も、今なら分かります。
今ワクチンをせっせと打っていますが、通常ならば信じられないぐらい早くワクチンができ上っています。(だからこそ安全面について心配な人がたくさんおられる)
「首都感染」の中でもすごい効果のあるワクチンができ上りますが、ここに関しては小説ならではの「日本が危機を脱してこの小説が終わるには、それぐらいの奇跡的なことが起こらないと無理」だからそれを筋だてにねじ込んだ感じです。
今流通しているワクチンの安全性が長期的に見ても安全性が高く、現在の効果が当分続くのであれば、これは小説の中で都合よくことが進んだのと同じぐらいに画期的なことが現実に起こったというお話です。
有効率が90%を超えるようなワクチンが、信じられないぐらい短期間でできあがった(だから怖いという意見が出ることは自然です)現状でさえ、7月のオリンピックには間に合ったといえる状況はできなかったのです。国内はおろか世界レベルで見れば全然まだまだだというのが現状です。
つまり、感染症の専門家に「一年後に世界的にパンデミックが収束していて安全にオリンピックを開催できますか?」と尋ねれば「バカなこと言わないでください」で終わった話だろうなというのは想像に難くありません。
さきほどネットニュースで塩野義製薬の国産ワクチン、注射いらずというニュースが流れていました。皮肉ですね。一年先なら国産ワクチンで安心安全?という現実もあったかもしれません。
ということで、読書好きな方はぜひ講談社文庫の高嶋哲夫著「首都感染」を読んでみてください。出版が2010年ということはその一年ぐらい前に入手可能な参考文献を集めて専門家の指摘を盛り込んで一冊の小説に仕立てたら、11年後の世界を予言したかのような内容になっていることにびっくりしますから。
ということで、今回もこの一冊についてたっぷり語った動画をYoutubeで公開しております。良かったら見てみてください。チャンネル登録や高評価もお願いします。
「首都感染」
生活整体研究家
進化体操と和の体育
津田啓史 拝
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