予測できていたこと 首都感染という予言?の書

【予測できていたこと 首都感染という予言?の書】

7月22日の投稿で、一年前の選択肢として中止、一年後、二年後(四年後もあり?)という選択肢があった中で、一年後を選んだ責任者の方は、少なくともその判断が賢明ではなかったということを認めてしかるべきではないか、というような指摘をしました。

「一年後にここまでグダグダになってるなんていうことは、予想がつかなかったはずだ。グダグダになってから過去にさかのぼって批判するのは誰でもできる」というような反論は当然お持ちの方もおられると思います。

確かにその通り!しかしながら、一年前に複数の感染症の専門家に予想される見通しといったものを真摯に問いかけてじっくりと検討していれば、おそらく一年後にオリンピックが安心・安全に開催できる見通しというものは非常に低かっただろうと判断しただろうなと思える、一冊の本を読みました。

小説です。高嶋哲夫さんが書かれた「首都感染」という本です。11年前の2010年に出版されているのですが、10年後の2020年の世界を予言したのではないかと思いたくなるような本です。まあびっくりでした。

その本でも感染の始まりはなんと中国です。武漢ではなく雲南省だったかな。オリンピックならぬ「サッカー・ワールドカップ中国大会中」に中国の地方の村で致死率60%という恐ろしい新型インフルエンザが発生。瞬く間に全世界に伝播。さあ、どうする!

この本を読みながら、ほんとに何度も2010年発行というのが信じられなくって何度も発行日を見返したぐらい、2020年のコロナ以後のドタバタがそこに書かれていたのです。(文庫版は2013年発行ですけどね)流れを書いてしまうとネタバレになりますから、単語だけ抜きだしますね。

空港検疫、楽観視して対策を遅らせる発言をする政治家、空港の封鎖、ワクチン、ワクチンの副反応、都市の封鎖、マスク、ゴーグル、手袋、防護服など感染予防用品の不足、医療資材の不足、ホテルでの隔離、自衛隊医務官の応援、PCR検査はRNA検査という名前で出てくる、WHOの対応、大量の人口呼吸器が必要、ウィルスの遺伝子配列を解析、全世界で共有、ワクチン開発につなげる、ワクチンの優先接種を受けようとする醜い政治家、ウィルスの変異、、、

とにかく2020年から2021年に耳に入ってきた単語がこれでもか、これでもかと登場します。

ネタバレ覚悟で言うと、この本の主人公や主人公の義父である総理大臣や国の動きというのは、実際の過去一年半の日本の動きと真逆です。なんというか、日本政府の中枢がこの「首都感染」を読みながら、ことごとく逆をやっていき、失敗を突き進んだのかと思いたくなるぐらい、真逆です。

この本の中では、日本というのは「世界に先駆けて首都封鎖に踏み切った国」であり、「もっとも効果的なワクチンと治療薬の両方を開発した国」なのです。実際にいち早く都市封鎖に踏み切ったのは中国の武漢でしたけど、本の中では日本が都市封鎖に舵を切って成功、世界が真似をするという話になっています。

本のラストの参考文献を見てみると、13冊の本と二つの雑誌掲載の論文が上げられています。参考図書の中には、10年後に毎朝のようにモーニングショーに出ることになるとは思ってもみなかっただろう公衆衛生学者のコロナの女王こと岡田晴恵先生の本もあってちょっと笑いました。

もちろん、ここにある15の参考文献は参考になった本を上げたので、それ以外に「あまり参考にならなかったもの」はそれなりの数あったと推測できますから、実際にはもっと膨大な資料を読み込まれたのだろうとは思います。脱帽です。

何が言いたいかというと、コロナと新型インフルエンザという違いはあるけれども、世界規模に新しい感染症がまん延したときに、同時多発的に起こる様々な事象は、高嶋哲夫という作家が、15冊ほどの参考文献(プラスアルファ)を読み込んで書いた中に大量に網羅されていた、ということです。

つまり10年前の時点で、専門家の中ではパンデミックになったらこういうことが次々に起こってきますという予想がおおむねついていた、ということなのです。

つまり2020年から2021年に起こったことは、予測不可能なことが起こったのではなく、専門家の中では予測範囲内だったことが、予想通りに起こっていたのだなということです。


生活整体研究家
進化体操と和の体育

津田啓史 拝

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