認知症の回復のメカニズムを探る(2)

皮下チューニングから身体を考える【認知症の回復のメカニズムを探る (2)】

 

【動画】83歳で、言葉も出ない、首も上がらなかった認知症のお母さんが、皮下チューニングで85歳の今、背筋も伸びて冗談も言うように

前回説明したドーマン法は効果がありそうですが、実際に一般の家庭でやるのは到底無理。

認知症の回復のメカニズムを探る(1)

でも結果的に認知症の症状が大きく改善されたOさんの皮下チューニングがそれをやったことになったのではないか、というのが今回のOさんの回復を説明するための仮説です。

皮下チューニングの効果を確かめる実験でこういうものがあります。どういう刺激の時に運動がぱっとやりやすくなるかというものです。足でやった実験です。

皮ふ(筋肉)を強く押しもみすると、、、、重くなり動きにくい。
皮ふをさする(往復)と、、、、、重くなり、動きにくい
皮ふに手を密着させて皮ふを動かすと、、、軽く動きやすくなる

 

【動画】家族で整体 皮下チューニング② 押す揉むさすると重くなり、皮膚を動かすと軽くなる

※皮膚をさするに関しては、超軽いタッチでエリアごとに決まっている軽くなる方向にふれると軽くなるというにこにこタッチセラピー(津田が整体を学ばせてもらった河野智聖師の方法)やさとう式リンパケアなど、動きが軽くなる現象も起こります。なんとなく往復でさするという方法だと重くなります。

人に触れることそのものが悪いといっているのではありません。今のように人とのふれあいができない時代、より一層重要性を再認識したといえるぐらいです。ただもんだりさすったりという「他者が触れている」という感覚は、リラクゼーションの方向に働き、結果として休めのスイッチが入るから足が重くなるのではないかと推察します。

一方、皮下チューニングの場合は「触れられている」という情報も脳に届きますが「皮ふが伸び縮みしている」という情報も脳に届きます。通常「皮ふの伸び縮み情報」というのは運動にともなわないと生まれません。なので、脳は「触れられているけど動いている???」という情報に対しての反射を起こすのではないか、ということです。せっせと皮ふを動かされると、せっせと動けるような運動神経回路の組み換えをするのではないかと仮説を立てています。

なのでOさんのお母さんが首肩腰足と皮下チューニングを受けることで結果的に脳に「あれ、全身動いているぞ」と錯覚させ、動きの準備をさせ、結果的に動けるようになり、多彩な動きができるのと並行して多彩な情報(足元しか見えない首だったのが、起こしていろいろなものが見える、見たいと思った方が見えるなど)が入るようになり、結果として言葉の反射も出てくるようになった、そういうことが考えられないでしょうか?

上記の仮説が正しいかどうかは分かりませんが、皮下チューニングを習慣化した結果として85歳の高齢のご婦人が目覚ましく運動も言葉も若返られたということは事実です。それは何も認知症の特別な原因を究明して、特別な治療法をほどこしたわけではありません。優しく触れるという行為と、運動していると脳に錯覚させるという二つの要素から身体にアプローチしただけです。

そうすることで「本来まだそのレベルの運動能力と知的能力が発揮できるはずだった人が、そこに戻っただけだ」と思うのです。ということは別に認知症にかかわらず、学生スポーツでもアスリートでも一般成人でも高齢者でもリハビリ中の人でも、それぞれ「損ねているもの」があるはずですから、皮下チューニングで「もっとよくなる」という可能性はたっぷりとありそうです。

 

家族整体・生活整体の普及推進
習慣化の技術 超遅速願望実現法提唱
くらげ体操と皮下チューニング

津田啓史(ひろふみ)